核戦争後の地球を舞台に、ティーンたちが大活躍するサバイバル・アクション海外ドラマ『シャナラ・クロニクルズ』&『THE 100/ハンドレッド』。全米でも人気の秘密は、まさに、ハラハラドキドキのスリルと興奮!同年代はもちろんのこと、大人も夢中になれるポイントも満載の2作品を早速紹介していこう。(文:安保有希子)
米MTVのドラマシリーズ史上最高の視聴者数を記録し、セカンド・シーズンの製作も決定した『シャナラ・クロニクルズ』が全米ティーンを熱狂させている。本作はアメリカで累計2600万部以上を売り上げた、ベストセラー小説「シャナラ」シリーズの初映像化。『スター・ウォーズ エピソード1 ファントメナス』ノベライズ本も執筆している原作のテリー・ブルックス、『アイアンマン』監督のジョン・ファヴロー、『スパイダーマン2』のアルフレッド・ガフとマイルズ・ミラーらが製作総指揮を務めるなど、ハリウッド一流の才能が結集している。
エルフ族、ドワーフ族、トロール族、ノーム族という4つの種族がそれぞれ支配する4つの国(ランド)では、生命の樹“エルクリス”の力で魔物を封じ込め、長年平和な生活を送ってきた。だが、その樹が枯れ始めるや、最強の魔物ダグダ・モーアが復活。ランドの運命は、エルフ国プリンセスのアンバリー、シャナラ王家の末えいとされる、エルフと人間のハーフのウィル、人間のエレトリアら3人の若者に託されたのだ。
『シャナラ・クロニクルズ』は、『ロード・オブ・ザ・リング』を撮影したニュージーランドでロケを行い、『アンダー・ワールド ビギンズ』や『ナルニア国物語』シリーズのジェイソン・デュレがVFXを手がけるなど、スペクタクル・アクション・シリーズの傑作『ゲーム・オブ・スローンズ』のティーン版と評されるほど、そのスケールは壮大で迫力に満ちている。もちろん、そこが見どころのひとつで、第1話から惜しみなく出されているので、ぜひ楽しんでもらいたい。
壮大なスケールに加え、俳優陣たちの熱演も見どころのひとつだ。主人公ウィルにふんするのは、ディズニー・チャンネル出身で『マンハッタンに恋をして~キャリーの日記~』のオースティン・バトラー、アンバリー役に『ダウントン・アビー』のポビー・ドレイトン、エレトリア役に『パンズ・ラビリンス』のイバナ・バケロと、ティーンを中心に人気の高い3人が揃い、次世代を担う若手スターと言われるだけあり迫真の演技を披露している。次世代を担う若手スターと言われる彼らの熱演、一見の価値あり。
若手の演技を盛り上げつつ、支えているのがベテラン勢だ。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのギムリ役でお馴染みのジョン・リス=デイヴィスはエルフ国の王イーヴンタインにふんし、『ホビット』シリーズでドワーフ王の宿敵アゾクを演じたマヌー・ベネットは伝説の賢者アラノンに。ともに若者たちを導く偉大な指導者として抜群の存在感を放っている。これこそ、培ってきたキャリアのスゴさと言えよう。必見だ。
『ゴシップガール』の製作陣が手がけた『THE 100/ハンドレッド』は、核戦争から100年後の地球が舞台。宇宙ステーション“アーク”で暮らすようになった人類だが、人口増加でアークは限界状態に。そこで、地球が生存可能な状態か確認するため、100人の少年少女たちが地球へと送られた。しかし、地球には奇形生物や謎のモンスター、危険な種族があふれ、そんな極限状態ともいえる環境下で、凄まじいサバイバルを繰り広げることとなった100人の若者たち。そこで芽生える友情や恋愛、三角関係、裏切り、衝突など、青春ドラマさながらの群像劇が展開されていく。
この人間ドラマの深さが、本シリーズの魅力のひとつだが、単なる群像劇で終わらないのも、この作品の魅力と言える。特に、謎の集団“マウント・マン”がセカンド・シーズンで登場してから、物語は陰謀や謎に満ち、予測不能な展開、激しさを増す種族間の戦闘、成長する若者たちの姿など、驚きのスケールアップをしていく。さらに、サード・シーズンともなれば、言わずもがなだろう。ティーンが主人公だと視聴をためらっているなら勿体ない話だ。いますぐ、ファースト・シーズンからスタートさせよう!