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黒澤明
出身地:東京都
生年月日:1910/3/23

黒澤明 出演映画作品

  • 荒野の用心棒〈4K版〉

    荒野の用心棒〈4K版〉

    制作年:2024年3月22日(金)公開

    イタリア製西部劇の先駆けとなった、クリント・イーストウッド主演のドル3部作・第1弾『荒野の用心棒』を、イタリア公開60周年を記念し、4K版で上映。流れ者のガンマンが、町を牛耳る勢力の共倒れを狙う。セルジオ・レオーネ監督が、黒澤明の『用心棒』をリメイクした。音楽はエンニオ・モリコーネ。共演はジャン・マリア・ヴォロンテら。

  • 蜘蛛巣城〈4Kデジタルリマスター版〉

    蜘蛛巣城〈4Kデジタルリマスター版〉

    制作年:2022年11月18日(金)公開

    シェイクスピア4大悲劇のひとつ『マクベス』の舞台を日本の戦国時代に置き換え、能の様式を取り入れた映画『蜘蛛巣城』を4Kデジタルリマスター版として上映する。忠義に厚いふたりの武将と老婆の不気味な予言を描く。黒澤明監督は本作をモノクロ・スタンダードサイズで撮影し、後世に影響を与えた。出演は三船敏郎、山田五十鈴、志村喬ら。

  • 隠し砦の三悪人〈4Kデジタルリマスター版〉

    隠し砦の三悪人〈4Kデジタルリマスター版〉

    制作年:2021年9月17日(金)公開

    黒澤明と三船敏郎がタッグを組んだ11作目で、黒澤監督初のシネスコープ作品が、“4Kデジタルリマスター版”の鮮明なる映像で劇場公開。戦国時代、敗軍の大将が、世継ぎと黄金を手に同盟国に脱出を試みる様をスリル満点の展開と共に描く。『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』に多大なる影響を与えた1作としても有名な1作。

  • 乱〈4K〉

    乱〈4K〉

    制作年:2017年4月1日(土)公開

    シェイクスピアの『リア王』をベースにした、黒澤明の晩年の傑作として名高い時代劇を、デジタル修復を施した新仕様でリバイバル上映。戦いと愛憎のドラマがハイクオリティのサウンドとビジュアルでよみがえる。色彩にこだわった映像をじっくり堪能できる好機。米アカデミー賞の衣装賞を受賞したワダエミによるゴージャスなコスチュームにも注目。

  • 乱〈4K〉

    乱〈4K〉

    制作年:2017年4月1日(土)公開

    シェイクスピアの『リア王』をベースにした、黒澤明の晩年の傑作として名高い時代劇を、デジタル修復を施した新仕様でリバイバル上映。戦いと愛憎のドラマがハイクオリティのサウンドとビジュアルでよみがえる。色彩にこだわった映像をじっくり堪能できる好機。米アカデミー賞の衣装賞を受賞したワダエミによるゴージャスなコスチュームにも注目。

  • 羅生門〈デジタル完全版〉

    制作年:2008年11月29日(土)公開

    1950年に公開され、ベネチア映画祭金獅子賞を受賞した不朽の名作が最新技術によって復活。森の中で起こった強姦・殺害事件を巡って、複数の食い違う証言が飛び交う迷宮のような物語を巧みな語り口と、強い陰影を駆使した圧倒的な映像美で描く。日米の専門家チームが行った修復作業により、驚くべき映像・音響で映画史に残る傑作を堪能できる。

  • 羅生門〈デジタル完全版〉

    制作年:2008年11月29日(土)公開

    1950年に公開され、ベネチア映画祭金獅子賞を受賞した不朽の名作が最新技術によって復活。森の中で起こった強姦・殺害事件を巡って、複数の食い違う証言が飛び交う迷宮のような物語を巧みな語り口と、強い陰影を駆使した圧倒的な映像美で描く。日米の専門家チームが行った修復作業により、驚くべき映像・音響で映画史に残る傑作を堪能できる。

  • 椿三十郎〈2007年〉

    制作年:2007年12月1日(土)公開

    日本を代表する娯楽活劇として今も愛され続ける黒澤明の名作『椿三十郎』が45年ぶりにリメイク。口は悪いが人情深く、何しろ滅法腕の立つ浪人、椿三十郎の活躍がオリジナル脚本そのままに展開する。この難易度の高いチャレンジに挑むのは日本映画界を代表する俳優・織田裕二と、質の高い娯楽作品に定評のある監督・森田芳光。全映画ファンの期待が高まる。

  • どら平太

    制作年:2000年5月13日(土)公開

    巨匠、市川崑の74本目の監督作となる娯楽時代劇。山本周五郎の『町奉行日記』を原作に、型破りな行動で勧善懲悪を成し遂げていく男の活躍を、ユーモアたっぷりに描き出す。

  • 雨あがる

    制作年:2000年1月22日(土)公開

    今は亡き黒澤明の遺稿脚本に基づく人間ドラマ。“見終わって、晴々とした気持ちになるような作品にする“という巨匠の言葉にのっとり、心温まる時代劇を展開させていく。

  • 海は見ていた

    制作年:

    【黒澤明が残した女性讃歌颯爽と綴られる希望のかたち】 黒澤明が着手しながら映画化を断念したシナリオに『日本の黒い夏・冤罪』の熊井啓が挑戦。客に惚れやすい娼婦が挫折の果てに希望を取り戻すまでを、ユーモラスかつ颯爽と描き切る。

  • 七人の侍

    制作年:

    日本の時代劇に西部劇の面白さを取り入れ、黒澤流のヒューマニズムを盛り込んだ黒澤映画の最高峰。その後、「荒野の七人」「宇宙の七人」など、この映画をお手本にした作品が続出した。志村喬演ずる勘兵衛が泥棒を斬るシーンでスローモーションが使われているが、これにヒントを得たサム・ペキンパーがアクション場面でこの手法を引用したことは有名な逸話。戦国時代、野武士が野盗化していた頃。貧しい農村の百姓たちが、野盗から村を守るため、侍を雇うことにする。食うことにも窮する侍7人が集まり、百姓たちにも竹槍による即成の軍事訓練を始めさせる。そしてついに野武士の群れが全力を上げて村に攻撃をしかけてきた……。早坂文雄作曲の『侍のテーマ』が実に印象的に使われており、次に展開するドラマへの期待感を盛り上げる。無口なサムライの久蔵を演じた宮口精二は、それまで剣道を1度もやったことがなかったが、この映画の中では日本一の剣豪に見えるから不思議だ。映画のマジックといえるだろう。

  • 蜘蛛巣城

    制作年:

    シェイクスピアの原作『マクベス』を日本の戦国時代にあてて翻案した作品。謀叛を起こした敵を破り主家の危機を救った鷲津武時は、帰城途中に出会った老婆の予言通り大将に任ぜられた。武時は妻・浅茅にそそのかされて城主を殺害し、自ら城主となったが、妻は再び親友・義明を殺すことを迫る。武時は今また義明を討ち、良心の呵責ゆえ半狂乱に。一方、身ごもっていた浅茅は死産し重体に陥る。義明の子・義照は城主の一子を奉じて軍勢を率い、蜘蛛巣城へ押し寄せてくる。城内の将兵は不安におののき、浅茅も発狂。武時は首を矢で射抜かれて死ぬ。黒澤は演出に能楽の様式を持ち込み、見事に成功させている。三船=マクベスが無数の矢にさらされるシーンが圧巻。

  • 虎の尾を踏む男達

    制作年:

    敗戦を挟んで製作され、占領軍の検閲でオクラ入りとなり、講和条約締結後の1952年に初めて上映された黒澤の傑作。能の『安宅』とその歌舞伎化の『勧進帳』をもとに、源頼朝から逮捕令が出された義経と弁慶一行の“安宅の関越え”を描く。黒澤は義経一行7人に付き添うおしゃべりな強力(ごうりき)を創出し、エノケンのキャラクターを存分に活用している。大河内伝次郎の弁慶とエノケンの強力、このコントラストが目ざましい効果を上げ、この映画を非凡なものにした。エノケンの軽妙さが滅びいく者たちの悲劇性を際立たせる。結末で酒に酔いしれる弁慶の表情、目覚めると一人残されていた強力の見せる涙など詩情豊かな一編。

  • 虎の尾を踏む男達

    制作年:

    敗戦を挟んで製作され、占領軍の検閲でオクラ入りとなり、講和条約締結後の1952年に初めて上映された黒澤の傑作。能の『安宅』とその歌舞伎化の『勧進帳』をもとに、源頼朝から逮捕令が出された義経と弁慶一行の“安宅の関越え”を描く。黒澤は義経一行7人に付き添うおしゃべりな強力(ごうりき)を創出し、エノケンのキャラクターを存分に活用している。大河内伝次郎の弁慶とエノケンの強力、このコントラストが目ざましい効果を上げ、この映画を非凡なものにした。エノケンの軽妙さが滅びいく者たちの悲劇性を際立たせる。結末で酒に酔いしれる弁慶の表情、目覚めると一人残されていた強力の見せる涙など詩情豊かな一編。

  • 肖像

    制作年:

    ともに戦中から注目された新人監督だった黒澤が、木下のためにオリジナル脚本を書き下ろしたのが本作品である。借家人の老画家一家を追い出すために父娘を装って不動産屋と妾が入居するが、老画家一家の温かい人情に触れ自分の過ちに気づき、妾は旦那と別れて自立の道を歩む。可憐な桂木洋子のデビュー作でもある。

  • 七人の侍

    制作年:

    日本の時代劇に西部劇の面白さを取り入れ、黒澤流のヒューマニズムを盛り込んだ黒澤映画の最高峰。その後、「荒野の七人」「宇宙の七人」など、この映画をお手本にした作品が続出した。志村喬演ずる勘兵衛が泥棒を斬るシーンでスローモーションが使われているが、これにヒントを得たサム・ペキンパーがアクション場面でこの手法を引用したことは有名な逸話。戦国時代、野武士が野盗化していた頃。貧しい農村の百姓たちが、野盗から村を守るため、侍を雇うことにする。食うことにも窮する侍7人が集まり、百姓たちにも竹槍による即成の軍事訓練を始めさせる。そしてついに野武士の群れが全力を上げて村に攻撃をしかけてきた……。早坂文雄作曲の『侍のテーマ』が実に印象的に使われており、次に展開するドラマへの期待感を盛り上げる。無口なサムライの久蔵を演じた宮口精二は、それまで剣道を1度もやったことがなかったが、この映画の中では日本一の剣豪に見えるから不思議だ。映画のマジックといえるだろう。

  • 殺陣師段平〈1962年〉

    制作年:

    長谷川幸延の原作を黒澤明が脚色、瑞穂春海が監督した芸道映画。大正元年、演劇が大衆から離れていきつつあることを感じた沢田正二郎は“新国劇”を創立し、剣劇ものに活路を見出そうとした。もと殺陣師の一座の頭取・市川段平は、必死に立ち回りを研究し、一座に深く貢献していくのだが……。

  • 乱

    制作年:

    シェイクスピアの『リア王』を原案に、これを戦国時代の毛利3兄弟の話とダブらせて描く、黒澤明監督の豪華絢爛たる戦国絵巻。製作費26億円という数字は日本映画としては超巨大予算のため日・仏合作作品とせざるを得なかった。しかし、その美術や衣装が素晴らしく、黒澤明の力強く清洌な演出とともにこの作品に崇高なる気品を与えている。ことにワダエミがデザインした衣装の美しさは同年のアカデミー衣裳デザイン賞を授与されるに至った。年老いた一文字家の主・秀虎が3人の息子に家督を譲り、城を一つずつ与えて引退すると宣言したところから起こる息子たちの反逆と骨肉の争い。やがて秀虎は発狂し、3人の息子は次々と死んでいく。美しく荘麗なる悲劇。戦闘シーンを敵対味方の血わき肉おどるアクションドラマにせず、次々に殺りくされる無名兵士の地獄絵として演出したところに、人間の愚かさへの老匠の祈りに似た視線がうかがえる。

  • 戦国無頼

    制作年:

    時は戦国。織田信長によって滅ぼされた浅井長政の家臣・佐々疾風之助、立花十郎太、鏡弥平次は、落ちのびて後、それぞれ流転の人生を歩む。時は流れ、十郎太は織田方に、疾風はその敵方に分かれ、弥平次を加えた3人は、再び戦場で出会うが……。山口淑子が十郎太と疾風之助の間で揺れる野武士の娘、おりょうを可憐に演じている。

  • 悪い奴ほどよく眠る

    制作年:

    当時ひんぱんに起きていた政治汚職をテーマにした黒澤明の力作で、黒澤プロの第1回作品。父親を汚職事件の犠牲で失った孤児・西幸一が、父親を死に追いやった元凶である政治家たちに様々な方法で復讐していくが、悪の根源はもっと深いところにあった。現代悪の汚職にメスを入れるというきわめて社会性の強いテーマながら、黒澤明は娯楽映画としても十分楽しめるように、スリルとサスペンスに富んだ作品に仕上げた。その反面、汚職の核心の部分が薄められてしまった点は否めない。西幸一に扮した三船敏郎はやや一本調子だが、老政治家に扮した森雅之のキャリアの重みを感じさせる巧演は見事。

  • 悪い奴ほどよく眠る

    制作年:

    当時ひんぱんに起きていた政治汚職をテーマにした黒澤明の力作で、黒澤プロの第1回作品。父親を汚職事件の犠牲で失った孤児・西幸一が、父親を死に追いやった元凶である政治家たちに様々な方法で復讐していくが、悪の根源はもっと深いところにあった。現代悪の汚職にメスを入れるというきわめて社会性の強いテーマながら、黒澤明は娯楽映画としても十分楽しめるように、スリルとサスペンスに富んだ作品に仕上げた。その反面、汚職の核心の部分が薄められてしまった点は否めない。西幸一に扮した三船敏郎はやや一本調子だが、老政治家に扮した森雅之のキャリアの重みを感じさせる巧演は見事。

  • ジャコ萬と鉄

    制作年:

    谷口千吉監督の名作「ジャコ万と鉄」(1949)を同じ脚本で深作欣二監督がリメイク。北海道のニシン漁期、片目の無法者ジャコ萬と網元の息子で、弱い漁夫たちを助けようとする鉄との対決を、深作監督はダイナミックに描いている。高倉が片想いの女性に尽くす叙情的な場面も秀逸。

  • 乱

    制作年:

    シェイクスピアの『リア王』を原案に、これを戦国時代の毛利3兄弟の話とダブらせて描く、黒澤明監督の豪華絢爛たる戦国絵巻。製作費26億円という数字は日本映画としては超巨大予算のため日・仏合作作品とせざるを得なかった。しかし、その美術や衣装が素晴らしく、黒澤明の力強く清洌な演出とともにこの作品に崇高なる気品を与えている。ことにワダエミがデザインした衣装の美しさは同年のアカデミー衣裳デザイン賞を授与されるに至った。年老いた一文字家の主・秀虎が3人の息子に家督を譲り、城を一つずつ与えて引退すると宣言したところから起こる息子たちの反逆と骨肉の争い。やがて秀虎は発狂し、3人の息子は次々と死んでいく。美しく荘麗なる悲劇。戦闘シーンを敵対味方の血わき肉おどるアクションドラマにせず、次々に殺りくされる無名兵士の地獄絵として演出したところに、人間の愚かさへの老匠の祈りに似た視線がうかがえる。

  • 静かなる決闘

    制作年:

    当時、特効薬がなく不治の病といわれた性病“梅毒”をテーマに据えた問題作。野戦病院で手術中に梅毒をうつされた医者の藤崎は、帰国後も恋人の美佐緒を避け、一生を病と戦いながら独身のまま生きていこうとする。生命を救った相手に不治の病をうつされるという皮肉に絶望しつつも、藤崎は医者として静かに人生と闘っていく……。「赤ひげ」など、その後の黒澤映画にこの作品のヒューマニズムは受け継がれる。

  • あすなろ物語

    制作年:

    井上靖が少年の成長を描いた原作を黒澤明が脚色した作品。監督の堀川弘通は黒澤の助監督だったが、これは監督第1回作品。おばあちゃん子の気弱な少年が成長していく年代記ものである。題名は、桧になろうとする“あすなろ”の木に由来している。黒澤ヒューマニズムを理解する上でも貴重な作品。

  • 羅生門

    羅生門

    制作年:

    世界にクロサワの名を知らしめた歴史的傑作。平安時代、盗賊・多襄丸が旅の侍夫婦を襲い、妻を強姦し、侍を殺す。やがて盗賊は捕われ裁判となるが、多襄丸・女・巫女の口を借りた侍の霊――すべての陳述が食い違う。原作は芥川龍之介の短編『薮の中』だが、映画では第4の証言者である木こりを創出して、よりドラマティックになっている。しかし、この映画は真実をめぐる人間のエゴの醜さといった観念的な主題よりも、躍動感がみなぎる生き生きとした映像によって永く語り継がれるであろう。事件の現場である山中の木もれ日の輝き、すさまじい豪雨の中に立つ羅生門の見事な造形、一つ一つが忘れられない印象を残す。特に4番目の証言に基づくシークエンスでの多襄丸と侍の立ち回りシーンのカメラワークは何度見ても驚嘆する。日本映画界の至宝といえる名カメラマン・宮川一夫を得て、黒澤演出も持てる力をフルに発揮。早坂文雄のボレロ調の音楽、松山崇らの美術、そして出演者たち、すべてが秀逸。もちろん、世界的にも評価は非情に高く、第12回ヴェネチア映画祭金獅子賞と、第24回米アカデミー賞で最優秀外国語映画賞にあたる特別賞を始め、多くの賞を受賞した。

  • 天国と地獄〈1963年〉

    天国と地獄〈1963年〉

    制作年:

    高台に豪邸を構えている製靴会社の権藤の子供と間違えられて、お抱え運転手の子供が誘拐される。権藤は悩みに悩んだ末、全財産を投げ出して三千万円の身代金を払い子供を救い出す。警察の捜査が始まり、一人の非凡な知能犯である青年が浮かんでくる。その動機とは……。全編息づまるサスペンスで、特に鉄橋を利用した現金受け渡しのシーンは有名で、これを模倣した誘拐事件が実際に発生した。また白黒作品であるにもかかわらず、映画の最もポイントとなるシーンで一個所着色を施すなど黒澤明の映画魂が感じられる傑作。

  • 天国と地獄〈1963年〉

    天国と地獄〈1963年〉

    制作年:

    高台に豪邸を構えている製靴会社の権藤の子供と間違えられて、お抱え運転手の子供が誘拐される。権藤は悩みに悩んだ末、全財産を投げ出して三千万円の身代金を払い子供を救い出す。警察の捜査が始まり、一人の非凡な知能犯である青年が浮かんでくる。その動機とは……。全編息づまるサスペンスで、特に鉄橋を利用した現金受け渡しのシーンは有名で、これを模倣した誘拐事件が実際に発生した。また白黒作品であるにもかかわらず、映画の最もポイントとなるシーンで一個所着色を施すなど黒澤明の映画魂が感じられる傑作。

  • 用心棒

    制作年:

    「悪い奴ほどよく眠る」に次いで作られた黒澤プロ作品第2作。“のびのびと楽しんで撮った”と黒澤明本人が言う通りの痛快娯楽時代劇となった。二人の親分が縄張り争いをしているために、ゴースト・タウンのようになってしまった宿場町。そこへ得体の知れない浪人者・桑畑三十郎がふらりとやって来て、用心棒として高く買ってくれる方につくという。やがて巧みな策略で双方を戦わせ、いざという時には自らの刀を抜いて、町の大掃除に成功すると、彼はいずこへとも知らず去っていく。殺陣シーンのすさまじさとともに、ユーモラスなタッチも忘れがたい。登場人物の中では、ピストルを持ちマフラーを首に巻いた、キザでニヒルな殺し屋を演じた仲代達矢の存在感が光る。主演の三船敏郎は、第22回ヴェネチア映画祭で見事男優賞に輝いた。およそ時代劇とは思えないような快活な佐藤勝の音楽も出色。1964年にはイタリアのセルジオ・レオーネ監督が本作を翻案して「荒野の用心棒」を作り、これも大ヒットとなった。また、ハリウッドでも1996年に、ブルース・ウィリス主演「ラストマン・スタンディング」の名でリメイクされた。

  • 用心棒

    制作年:

    「悪い奴ほどよく眠る」に次いで作られた黒澤プロ作品第2作。“のびのびと楽しんで撮った”と黒澤明本人が言う通りの痛快娯楽時代劇となった。二人の親分が縄張り争いをしているために、ゴースト・タウンのようになってしまった宿場町。そこへ得体の知れない浪人者・桑畑三十郎がふらりとやって来て、用心棒として高く買ってくれる方につくという。やがて巧みな策略で双方を戦わせ、いざという時には自らの刀を抜いて、町の大掃除に成功すると、彼はいずこへとも知らず去っていく。殺陣シーンのすさまじさとともに、ユーモラスなタッチも忘れがたい。登場人物の中では、ピストルを持ちマフラーを首に巻いた、キザでニヒルな殺し屋を演じた仲代達矢の存在感が光る。主演の三船敏郎は、第22回ヴェネチア映画祭で見事男優賞に輝いた。およそ時代劇とは思えないような快活な佐藤勝の音楽も出色。1964年にはイタリアのセルジオ・レオーネ監督が本作を翻案して「荒野の用心棒」を作り、これも大ヒットとなった。また、ハリウッドでも1996年に、ブルース・ウィリス主演「ラストマン・スタンディング」の名でリメイクされた。

  • 野良犬〈1973年〉

    制作年:

    1949年に黒澤明監督が撮った同名作品のリメイク。ピストルを奪われた警官が犯人探しに奔走する姿を、うだるような暑さのなかに描く。演出には喜劇で名高い森崎東監督があたり、黒澤作品の活劇性よりはむしろ人間をエネルギッシュに描くことに眼目が置かれている。

  • 銀嶺の果て

    制作年:

    監督の谷口千吉と三船敏郎のデビュー作。3人組の強盗が、警察の手を逃れて北アルプスの山小屋に隠れ、そこに住む老人と娘との間に交流が生まれていく。冬のアルプスでロケーションを行い、スリルとアクションあふれる娯楽作になっている。脚本は、谷口と黒澤明が20日間で書き上げた。

  • 羅生門

    羅生門

    制作年:

    世界にクロサワの名を知らしめた歴史的傑作。平安時代、盗賊・多襄丸が旅の侍夫婦を襲い、妻を強姦し、侍を殺す。やがて盗賊は捕われ裁判となるが、多襄丸・女・巫女の口を借りた侍の霊――すべての陳述が食い違う。原作は芥川龍之介の短編『薮の中』だが、映画では第4の証言者である木こりを創出して、よりドラマティックになっている。しかし、この映画は真実をめぐる人間のエゴの醜さといった観念的な主題よりも、躍動感がみなぎる生き生きとした映像によって永く語り継がれるであろう。事件の現場である山中の木もれ日の輝き、すさまじい豪雨の中に立つ羅生門の見事な造形、一つ一つが忘れられない印象を残す。特に4番目の証言に基づくシークエンスでの多襄丸と侍の立ち回りシーンのカメラワークは何度見ても驚嘆する。日本映画界の至宝といえる名カメラマン・宮川一夫を得て、黒澤演出も持てる力をフルに発揮。早坂文雄のボレロ調の音楽、松山崇らの美術、そして出演者たち、すべてが秀逸。もちろん、世界的にも評価は非情に高く、第12回ヴェネチア映画祭金獅子賞と、第24回米アカデミー賞で最優秀外国語映画賞にあたる特別賞を始め、多くの賞を受賞した。

  • ジャコ萬と鉄

    制作年:

    北海道のニシン漁場に片目の無法者ジャコ万が流れてきて、無法の限りをつくすが、網元は弱味を握られていて手が出せない。そこへ正義感の強い網元の息子、鉄が帰ってきて、ジャコ万と対決する。「銀嶺の果て」「暁の脱走」と並ぶ谷口千吉監督の代表作。当時、新人だった三船敏郎が鉄を好演。

  • 隠し砦の三悪人

    制作年:

    戦国時代、秋月家は隣国の山名家に敗れ、秋月家の大将真壁六郎太は世継ぎの雪姫を擁して隠し砦にこもった。近くの泉には薪に見せかけた軍資金の黄金200貫が隠されている。同盟国の早川領へ脱出しようとする六郎太は近くの沢で二人の百姓に出会い、彼らを脱出に利用することを考える。こうして雪姫と六郎太一行の脱出行が始まった……。難関につぐ難関をあの手この手で突破する、スリルとサスペンスとユーモア満点の痛快にして豪快な娯楽巨編。黒澤は他の3人の脚本家に次々と難関をつきつけ、いかにして突破するかを考えさせ、脚本を作り上げたといわれる。狂言回しのごとき二人の百姓が「スター・ウォーズ」における“C3P-O、R2-D2”の2体のロボットに受け継がれていることは有名な話。黒澤初のシネマスコープ作品。

  • 隠し砦の三悪人

    制作年:

    戦国時代、秋月家は隣国の山名家に敗れ、秋月家の大将真壁六郎太は世継ぎの雪姫を擁して隠し砦にこもった。近くの泉には薪に見せかけた軍資金の黄金200貫が隠されている。同盟国の早川領へ脱出しようとする六郎太は近くの沢で二人の百姓に出会い、彼らを脱出に利用することを考える。こうして雪姫と六郎太一行の脱出行が始まった……。難関につぐ難関をあの手この手で突破する、スリルとサスペンスとユーモア満点の痛快にして豪快な娯楽巨編。黒澤は他の3人の脚本家に次々と難関をつきつけ、いかにして突破するかを考えさせ、脚本を作り上げたといわれる。狂言回しのごとき二人の百姓が「スター・ウォーズ」における“C3P-O、R2-D2”の2体のロボットに受け継がれていることは有名な話。黒澤初のシネマスコープ作品。

  • 生きる

    生きる

    制作年:

    ベルイマンの「野いちご」などとともに、老人を主人公にした世界的名作の1本として、観る者に深い感銘を与えずにはおかない作品。黒澤明の最高傑作と賞する人も多く、現在ハリウッドでリメイクを製作中。市役所の市民課長・渡辺勘治は、30年間無欠勤という模範的な役人だが、ある日自分が胃ガンで余命いくばくもないことを知る。早くに死に別れた妻との間の息子にも冷たくされ、絶望と孤独に陥った渡辺は、街へさ迷い出て飲み慣れない酒を飲む。“自分の人生とは一体何だったのか……”。しかし、元気な女性と出会い渡辺は人間が本当に生きるということの意味を考え始め、人生の最後に少しでも市民の役に立つことをしようと、下水溜りを改善して小公園を作ることに情熱を注ぐ……。黒澤明は、非人間的な官僚主義に対して痛烈に批判するとともに、人間が生きることについての哲学的な問題をも提示している。真面目一徹の渡辺が、老いて初めて夜の歓楽街を取り憑かれたようにさまようシークエンスの、めくるめく映像センスも忘れがたい。

  • 生きる

    生きる

    制作年:

    ベルイマンの「野いちご」などとともに、老人を主人公にした世界的名作の1本として、観る者に深い感銘を与えずにはおかない作品。黒澤明の最高傑作と賞する人も多く、現在ハリウッドでリメイクを製作中。市役所の市民課長・渡辺勘治は、30年間無欠勤という模範的な役人だが、ある日自分が胃ガンで余命いくばくもないことを知る。早くに死に別れた妻との間の息子にも冷たくされ、絶望と孤独に陥った渡辺は、街へさ迷い出て飲み慣れない酒を飲む。“自分の人生とは一体何だったのか……”。しかし、元気な女性と出会い渡辺は人間が本当に生きるということの意味を考え始め、人生の最後に少しでも市民の役に立つことをしようと、下水溜りを改善して小公園を作ることに情熱を注ぐ……。黒澤明は、非人間的な官僚主義に対して痛烈に批判するとともに、人間が生きることについての哲学的な問題をも提示している。真面目一徹の渡辺が、老いて初めて夜の歓楽街を取り憑かれたようにさまようシークエンスの、めくるめく映像センスも忘れがたい。

  • 椿三十郎〈1962年〉

    制作年:

    名作「用心棒」の続編ともいえる作品で、前作では桑畑を名乗った三十郎が、今度は椿を見ながら“椿三十郎、最ももうすぐ四十郎だが”というとぼけたセリフで笑わせる。「用心棒」がたった一人で宿場の悪人どもを全滅させるのに対し、ここでは上役の汚職を暴き出そうと立ち上がる9人の若侍たちの支えとなり、その凄腕で御家騒動の黒幕と対決する。加山雄三をはじめとした若侍の血気にはやる暴走をうまくコントロールし、敵の仲代達矢と知恵比べをする三十郎は「用心棒」のワイルドさに比べておとなしい気もするが、有名なラストの一太刀で勝負をつける決闘シーンはまさに圧巻。

  • 静かなる決闘

    制作年:

    当時、特効薬がなく不治の病といわれた性病“梅毒”をテーマに据えた問題作。野戦病院で手術中に梅毒をうつされた医者の藤崎は、帰国後も恋人の美佐緒を避け、一生を病と戦いながら独身のまま生きていこうとする。生命を救った相手に不治の病をうつされるという皮肉に絶望しつつも、藤崎は医者として静かに人生と闘っていく……。「赤ひげ」など、その後の黒澤映画にこの作品のヒューマニズムは受け継がれる。

  • 素晴らしき日曜日

    制作年:

    「わが青春に悔なし」に続く黒澤明監督作品。雨の日曜日、金もなく焼跡も生々しい街に出かけた若い恋人たちは、冷たい現実に、はかない夢を次々に打ち砕かれてみじめな気持ちでいっぱいになるが、次第に明るい夢をとり戻していく。黒澤はこのストーリーをD・W・グリフィス監督の無声映画の秀作「恋の馬鈴薯」からヒントを得たと語っている。彼の持つ本質的な優しさ、感性のみずみずしさが素直に出た作品として印象深いものがある。若い恋人たちに扮する沼崎勲と中北千枝子も好演。クライマックスでヒロインが観客に語りかけるというシーンがあり、観客が映画に参加するという日本映画初の実験性に富んだ作品だ。

  • 酔いどれ天使

    制作年:

    昭和23年。戦後の混乱はまだ収まらず、特に東宝は労働争議で大きく揺れ、4月から半年以上にわたって製作中止の状態にまで至った。そんな困難な状況のなかから生まれたのがこの「酔いどれ天使」であり、黒澤明の個性的なテーマや技法が確立された作品として記憶される。メタンガスの吹き出す、沼地周辺の貧乏人たちを診察して暮らしている飲んべえの医者と、彼から結核の宣告を受ける闇市のヤクザとの交流を描く。空いばりばかりしている人間のクズとしてヤクザを批判する視点と、彼をそこまで陥れたのは戦争だったのだという視点とが交差するなかで、新人・三船敏郎はこけた頬に眼光をギラギラさせて出色の演技を見せ、この1本でスターダムにのし上がった。以後の黒澤=三船コンビの大活躍は周知の通り。また、この作品は黒澤と音楽監督・早坂文雄との記念すべき出会いとなった。悲しい画面に「カッコウ・ワルツ」を流すという“映像と音楽との対位法”的な使い方は「野良犬」につながっていくことになる。

  • 赤ひげ

    制作年:

    江戸時代に幕府が設置した医療機関・小石川養生所を舞台に繰り広げられる庶民の人生模様、所長・赤ひげと青年医師の心の交流を描いた、黒澤ヒューマニズムの代表作。山本周五郎の『赤ひげ診療譚』を原作として監督の黒澤明以下、井手、小国、菊島というおなじみのチームの脚本による大作。撮影は黒澤組常連の中井朝一と後年の黒澤作品を担当する斎藤孝雄。助監督には、森谷司郎、松江陽一、出目昌伸、大森健次郎といった顔ぶれが並ぶ。また、佐藤勝による音楽も忘れがたく、この作品に気高さを添えている。長崎で和蘭陀医学を学んだ青年・保本は医師見習いとして小石川養生所に住み込むことになった。しかし保本は所長赤ひげに反発を覚え、養生所の禁を犯し破門されることすら望んでいた。座敷牢の狂女は先天制体質が原因だとする赤ひげの診断を、誤りだと指摘した保本は、禁を破って狂女の観察を繰り返した結果、赤ひげの診断の正しさを知る。日々貧乏人と接し黙々と医術を施すその姿を見て、保本は次第に赤ひげに共感を覚えるようになる。

  • デルス・ウザーラ

    制作年:

    天涯孤独で家も持たずウスリー地方の密林の自然とともに暮らしている猟師、デルス・ウザーラ。1902年の秋、地誌調査のためにウスリー地方に入ったアルセーニェフ隊は初めてデルスと出会った。移り変わる自然ばかりでなく水や火や天空にまで命を感じて生きているデルスは、ハンカ湖で突然来襲した吹雪からアルセーニェフを救出。大自然を愛するデルスの生き方にアルセーニェフは感動し、二人は強い友情に結ばれていく。原作はアルセーニェフの同名の探検記。黒澤は30年間この作品の映画化を胸に抱いてきただけあって、準備と撮影に二年半を費やすという力の入れようだった。黒澤初の合作映画であり、また初の70ミリ作品でもある。モスクワ映画祭でグランプリを受賞した。

  • 暴走機関車

    制作年:

    黒澤明によるオリジナル脚本を映画化したアクション大作。アラスカのストーンヘブン刑務所から野獣のような凶悪犯と、15歳の娘をレイプした罪で服役中の若い囚人が脱獄、吹雪の中の原野を4連の機関車に乗って逃亡した。しかし機関手が死亡、非常停止装置も作動せず、最高時速150キロで巨大な鉄の塊が疾駆する。刑務所長はこの脱獄囚を執拗に追うが……。暴走する機関車と自然と人間の三者が織り成すサスペンスをリアルにダイナミックに描く。大胆なメイクのヴォイトとエキセントリックなロバーツの演技は、アカデミー賞にノミネートされた。

  • 姿三四郎〈1943年〉

    制作年:

    黒澤明の監督デビュー作。戦時中のフィルム統制の中でようやくつかんだチャンスを、見事モノにした痛快娯楽作品。富田常雄の原作に発表と同時に飛びついた黒澤の彗眼は、時代に迎合することなく、のびのびと演出することに成功している。しかしながら、現在残っているプリントは翌1944年に上映されたカット版であり、戦後、消失した部分に説明字幕が挿入されて今日に至っている。明治15年、柔術を志した三四郎が矢野正五郎によって柔道の素晴らしさを知り、その門下に入り、幾多の試練ののち人間的に大きく成長し、一人前の柔道家になっていく。特筆すべきは試合のシーンの豪快さで、細かなカット割りやスローモーションが劇的な効果を上げている。また師の叱責をうけた三四郎が、池に飛び込み一夜を過ごした時、彼の目の前で開く蓮の花の美しさも印象に残る。ラストの決闘シーンは風吹きすさぶ荒天の中で撮影され、雲の流れや草のそよぎがモニュメンタルな雰囲気を醸し出している。

  • 姿三四郎〈1943年〉

    制作年:

    黒澤明の監督デビュー作。戦時中のフィルム統制の中でようやくつかんだチャンスを、見事モノにした痛快娯楽作品。富田常雄の原作に発表と同時に飛びついた黒澤の彗眼は、時代に迎合することなく、のびのびと演出することに成功している。しかしながら、現在残っているプリントは翌1944年に上映されたカット版であり、戦後、消失した部分に説明字幕が挿入されて今日に至っている。明治15年、柔術を志した三四郎が矢野正五郎によって柔道の素晴らしさを知り、その門下に入り、幾多の試練ののち人間的に大きく成長し、一人前の柔道家になっていく。特筆すべきは試合のシーンの豪快さで、細かなカット割りやスローモーションが劇的な効果を上げている。また師の叱責をうけた三四郎が、池に飛び込み一夜を過ごした時、彼の目の前で開く蓮の花の美しさも印象に残る。ラストの決闘シーンは風吹きすさぶ荒天の中で撮影され、雲の流れや草のそよぎがモニュメンタルな雰囲気を醸し出している。

  • 荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻

    制作年:

    黒澤明が脚本を書き、森一生が初めて東宝で撮った大チャンバラ時代劇。伊賀上野の鍵屋の辻で荒木又右衛門が義弟の助太刀をするまでを描く。従来の芝居や映画では又右衛門が大勢の仇をバッタバッタと斬り倒していたが、本作では実録通りに二人しか斬らないなど、新しい解釈の荒木又右衛門像を作っている。

  • まあだだよ

    制作年:

    黒澤明が、敬愛する随筆家・内田百間とその門下生たちのふれあいを描いたヒューマニズムあふれる一作。黒澤の遺作となった作品。教え子たちのたまり場である百間先生の家を舞台に、自由な人生を謳歌する先生と弟子をめぐる様々なエピソードが人情味豊かに描かれていく……。黒澤映画の常連に所ジョージを加えたユニークなキャスティングに注目。

  • まあだだよ

    制作年:

    黒澤明が、敬愛する随筆家・内田百間とその門下生たちのふれあいを描いたヒューマニズムあふれる一作。黒澤の遺作となった作品。教え子たちのたまり場である百間先生の家を舞台に、自由な人生を謳歌する先生と弟子をめぐる様々なエピソードが人情味豊かに描かれていく……。黒澤映画の常連に所ジョージを加えたユニークなキャスティングに注目。

  • デルス・ウザーラ

    制作年:

    天涯孤独で家も持たずウスリー地方の密林の自然とともに暮らしている猟師、デルス・ウザーラ。1902年の秋、地誌調査のためにウスリー地方に入ったアルセーニェフ隊は初めてデルスと出会った。移り変わる自然ばかりでなく水や火や天空にまで命を感じて生きているデルスは、ハンカ湖で突然来襲した吹雪からアルセーニェフを救出。大自然を愛するデルスの生き方にアルセーニェフは感動し、二人は強い友情に結ばれていく。原作はアルセーニェフの同名の探検記。黒澤は30年間この作品の映画化を胸に抱いてきただけあって、準備と撮影に二年半を費やすという力の入れようだった。黒澤初の合作映画であり、また初の70ミリ作品でもある。モスクワ映画祭でグランプリを受賞した。

  • 影武者

    制作年:

    黒澤明が久しぶりに挑んだ時代劇として話題を集め、カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した。外国版プロデューサーとしてフランシス・F・コッポラとジョージ・ルーカスが参加し、アメリカでも公開されて独創的な様式美と壮麗な合戦絵巻が評判を呼んだ。日本での黒澤映画は「どですかでん」以来10年ぶり。ロケは北海道から姫路城、熊本城と日本を縦断し、富士山麓には壮大な武田屋形のオープンセットも建てられた。あやうく処刑をまぬがれた盗人が武田信玄の影武者となり、信玄の幻に威圧されながらも敵をあざむいていくという設定は面白いが、往年の黒澤映画を貫くヒューマニズムが影をひそめたことは否めない。

  • 荒野の七人

    制作年:

    黒澤明監督の「七人の侍」に惚れ込んだブリンナーが翻訳権を買いとり、舞台をメキシコに設定して映画化した西部劇の快作。メキシコの寒村イストラカンは、毎年野盗に襲われ続けている。そこで村の長老は助っ人を雇うことにした。7人のガンマンたちが集まり、彼らは村人たちに射撃の練習をさせ、隠し棚を作り、道には溝を掘らせて野盗一味の襲撃にそなえた。やがて野盗は40人の手下を率いて現れるが、思わぬ農民たちの反撃にあい、部下の半数の死体を残して命からがら逃げ帰った。その後、何度かの攻防が続き、結局3人のガンマンが生き残った。リーダーのクリスがつぶやく、“勝ったのは俺たちじゃない。百姓だよ“と。7人の個性あふれるガンマンぶりが話題を呼び、なかでもマックィーンのカッコ良さは群を抜いていた。

  • 夢〈1990年〉

    制作年:

    黒澤明を師と仰ぐスティーヴン・スピルバーグとジョージ・ルーカスが製作に協力し、ワーナー・ブラザースが世界配給を受け持ったという、まさに世界のクロサワならではのスケールの大きな作品。全8話で構成される監督自身の“夢“の世界を、時には美しく、時には残酷に描いたオムニバス形式の映画だ。きつねの嫁入りを見てしまう夢、吹雪の中で雪女に会う夢、戦死した戦友の亡霊が現れる夢、晩年のゴッホに出会う夢……。様々な夢に不安と希望を描き、文明社会への批判と人間の自然とのかかわりの大切さを説いたこの作品は、黒澤明の追求してきたヒューマニズムの結晶といえる。

  • 夢〈1990年〉

    制作年:

    黒澤明を師と仰ぐスティーヴン・スピルバーグとジョージ・ルーカスが製作に協力し、ワーナー・ブラザースが世界配給を受け持ったという、まさに世界のクロサワならではのスケールの大きな作品。全8話で構成される監督自身の“夢“の世界を、時には美しく、時には残酷に描いたオムニバス形式の映画だ。きつねの嫁入りを見てしまう夢、吹雪の中で雪女に会う夢、戦死した戦友の亡霊が現れる夢、晩年のゴッホに出会う夢……。様々な夢に不安と希望を描き、文明社会への批判と人間の自然とのかかわりの大切さを説いたこの作品は、黒澤明の追求してきたヒューマニズムの結晶といえる。

  • 一番美しく

    制作年:

    黒澤明の監督第2作。製作当時は第二次大戦のさなかで、題材も軍需工場で働く女子挺身隊の工場での日々を描き、多分に時代の色が出ている。ただし、戦意高揚映画ということから離れ、そこに働く女性一人一人に目を向けているあたりが黒澤らしい。主演の矢口陽子は、このあと「日常の戦い」に出演したのち、黒澤明と結婚した。

  • 一番美しく

    制作年:

    黒澤明の監督第2作。製作当時は第二次大戦のさなかで、題材も軍需工場で働く女子挺身隊の工場での日々を描き、多分に時代の色が出ている。ただし、戦意高揚映画ということから離れ、そこに働く女性一人一人に目を向けているあたりが黒澤らしい。主演の矢口陽子は、このあと「日常の戦い」に出演したのち、黒澤明と結婚した。

  • 續姿三四郎

    制作年:

    名作の誉れ高い「姿三四郎」の続編。前作のラストで旅に出た三四郎が修道館に帰還するところから物語は始まる。出演者も前作とほぼ同じで、三四郎に敗れた源之介を演じた月形龍之介が彼の弟に扮して登場。藤田進と再び演じる決闘シーンがクライマックスとなる。柔術家がアメリカ人拳闘家に叩きのめされると、愛国心から拳闘家をやっつけたり、日本の少年をいじめるアメリカ水兵を投げとばしたりと、戦時下の作品らしい場面も見られる。

  • 續姿三四郎

    制作年:

    名作の誉れ高い「姿三四郎」の続編。前作のラストで旅に出た三四郎が修道館に帰還するところから物語は始まる。出演者も前作とほぼ同じで、三四郎に敗れた源之介を演じた月形龍之介が彼の弟に扮して登場。藤田進と再び演じる決闘シーンがクライマックスとなる。柔術家がアメリカ人拳闘家に叩きのめされると、愛国心から拳闘家をやっつけたり、日本の少年をいじめるアメリカ水兵を投げとばしたりと、戦時下の作品らしい場面も見られる。

  • 影武者

    制作年:

    黒澤明が久しぶりに挑んだ時代劇として話題を集め、カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した。外国版プロデューサーとしてフランシス・F・コッポラとジョージ・ルーカスが参加し、アメリカでも公開されて独創的な様式美と壮麗な合戦絵巻が評判を呼んだ。日本での黒澤映画は「どですかでん」以来10年ぶり。ロケは北海道から姫路城、熊本城と日本を縦断し、富士山麓には壮大な武田屋形のオープンセットも建てられた。あやうく処刑をまぬがれた盗人が武田信玄の影武者となり、信玄の幻に威圧されながらも敵をあざむいていくという設定は面白いが、往年の黒澤映画を貫くヒューマニズムが影をひそめたことは否めない。

  • 白痴〈1951年〉

    制作年:

    黒澤明が長年の夢であったドストエフスキーの名作を、舞台をロシアから北海道へ移し変えて映画化した野心作。善の権化である美しい亀田青年、彼を愛する二人の女・綾子と那須妙子、そして妙子を野獣のように愛する赤間伝吉の4人の間には、時には美しく時には神々しいまでの愛と激しい憎悪が燃えあがる。この作品は当初4時間25分の長さで前後編に分けて上映されることになっていたが、試写を見た松竹首脳陣が難色を示し大幅にカットされることに。それに激怒した黒澤監督が“切りたければフィルムを縦に切れ!“と怒鳴ったという逸話が残っている。結局ふた通りのバージョンが作られ、長尺版の3時間30分のものは東劇で3日間だけ公開、現在見ることができる2時間46分のものは、一般公開時のもの。

  • 赤ひげ

    制作年:

    江戸時代に幕府が設置した医療機関・小石川養生所を舞台に繰り広げられる庶民の人生模様、所長・赤ひげと青年医師の心の交流を描いた、黒澤ヒューマニズムの代表作。山本周五郎の『赤ひげ診療譚』を原作として監督の黒澤明以下、井手、小国、菊島というおなじみのチームの脚本による大作。撮影は黒澤組常連の中井朝一と後年の黒澤作品を担当する斎藤孝雄。助監督には、森谷司郎、松江陽一、出目昌伸、大森健次郎といった顔ぶれが並ぶ。また、佐藤勝による音楽も忘れがたく、この作品に気高さを添えている。長崎で和蘭陀医学を学んだ青年・保本は医師見習いとして小石川養生所に住み込むことになった。しかし保本は所長赤ひげに反発を覚え、養生所の禁を犯し破門されることすら望んでいた。座敷牢の狂女は先天制体質が原因だとする赤ひげの診断を、誤りだと指摘した保本は、禁を破って狂女の観察を繰り返した結果、赤ひげの診断の正しさを知る。日々貧乏人と接し黙々と医術を施すその姿を見て、保本は次第に赤ひげに共感を覚えるようになる。

  • 生きものの記録

    制作年:

    町工場の経営者、中島喜一は原水爆の実験に脅威を感じ、この地球上で安全な場所は南米しかないと考える。そして、家族にも相談しないで南米への移住を計画。工場で生計を立てている息子たちは父の計画に猛反対し、父を裁判にかける。財産を自由に処分できない準禁治産者に認定してもらうためだ。ブラジルへ行けなくなった中島は、急に不安が募って発狂し、工場を放火してしまう……。黒澤明が原水爆反対の立場を表明した映画だが、興行的には失敗した。三船敏郎がフケのメイクで熱演。黒澤との名コンビで知られる音楽の早坂文雄は、主人公の心の不安を映し出す主要な楽曲を残したあと、作品の完成を見ることなく逝去した。

  • 酔いどれ天使

    制作年:

    昭和23年。戦後の混乱はまだ収まらず、特に東宝は労働争議で大きく揺れ、4月から半年以上にわたって製作中止の状態にまで至った。そんな困難な状況のなかから生まれたのがこの「酔いどれ天使」であり、黒澤明の個性的なテーマや技法が確立された作品として記憶される。メタンガスの吹き出す、沼地周辺の貧乏人たちを診察して暮らしている飲んべえの医者と、彼から結核の宣告を受ける闇市のヤクザとの交流を描く。空いばりばかりしている人間のクズとしてヤクザを批判する視点と、彼をそこまで陥れたのは戦争だったのだという視点とが交差するなかで、新人・三船敏郎はこけた頬に眼光をギラギラさせて出色の演技を見せ、この1本でスターダムにのし上がった。以後の黒澤=三船コンビの大活躍は周知の通り。また、この作品は黒澤と音楽監督・早坂文雄との記念すべき出会いとなった。悲しい画面に「カッコウ・ワルツ」を流すという“映像と音楽との対位法”的な使い方は「野良犬」につながっていくことになる。

  • 隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS

    制作年:

    【新しい主人公、新しい解釈で現代に甦る傑作活劇】 1958年に製作された黒澤明監督の傑作活劇を、新解釈を加えてリメイクする大注目作。『ローレライ』『日本沈没』など、次々と話題作を発表する樋口真嗣監督が、松本潤、長澤まさみら現代のキャストを得て、名作をどのように新生させるのか期待が高まる。古典劇の魅力と活劇の興奮を巧みに盛り込む脚本で知られる中島かずきが脚色を務めている。

  • わが青春に悔なし

    制作年:

    戦前の京大滝川事件と、戦中のゾルゲ=尾崎秀実のスパイ事件の二つをモデルに創作された反戦運動を描いた力作。“永遠の処女”原節子が若々しい雰囲気を画面に充満させている。当時は労働組合の発言力が強く、“天皇クロサワ”でさえ後半のプロットの書き直しを余儀なくされたという逸話が残っており、興味深い。大学教授の美しい娘・幸枝は学生たちの憧れの的だ。野毛と糸川は幸枝を争うライバルだが、野毛は反戦運動家に、糸川はそれを取り締まる検事にと正反対の道を選ぶ。幸枝は野毛と結婚するが、野毛は戦争妨害を指導した非国民として逮捕されてしまう……。女主人公の自我を強くうたい上げた女性ドラマの傑作になっている。

  • 八月の狂詩曲〈ラプソディー〉

    制作年:

    1965年の「赤ひげ」以降、ほぼ5年に1本のペースで撮っていた巨匠・黒澤明が、前作より1年という短期間で撮り上げた注目の第30作。長崎の片田舎で暮らす老婆・鉦のもとにハワイの大富豪となった兄から突然エアメールが届き、息子たちは大喜びでハワイへ行く。その間、夏休みを利用して鉦のもとに訪れた4人の孫たちは、彼女の昔話から原爆の悲惨さを理解していく。やがてハワイから鉦の甥にあたるクラークがやって来るのだが……。村田喜代子原作『鍋の中』を映画化した反核映画。クラーク役にR・ギアを起用したりと話題が多かったが、その反核を意図する描写は米国のマスコミを大いに騒がせた。

  • 八月の狂詩曲〈ラプソディー〉

    制作年:

    1965年の「赤ひげ」以降、ほぼ5年に1本のペースで撮っていた巨匠・黒澤明が、前作より1年という短期間で撮り上げた注目の第30作。長崎の片田舎で暮らす老婆・鉦のもとにハワイの大富豪となった兄から突然エアメールが届き、息子たちは大喜びでハワイへ行く。その間、夏休みを利用して鉦のもとに訪れた4人の孫たちは、彼女の昔話から原爆の悲惨さを理解していく。やがてハワイから鉦の甥にあたるクラークがやって来るのだが……。村田喜代子原作『鍋の中』を映画化した反核映画。クラーク役にR・ギアを起用したりと話題が多かったが、その反核を意図する描写は米国のマスコミを大いに騒がせた。

  • どですかでん

    制作年:

    山本周五郎の小説『季節のない街』を映画化した黒澤明監督作品。電車バカの六ちゃんを狂言回しにして、牧歌的な夫婦交換の話、浮浪者の親子の話、悪妻の話など、市井の人ーの8つのエピソードが、互いに入り組みながら現実の時間の推移を軸にして展開していく。木下惠介、市川崑、小林正樹そして黒澤明という日本を代表する巨匠4人で結成した“四騎の会”の第1回作品で、黒澤初のカラー作品でもある。ギラギラした人間像を描き続けてきた黒澤が、ここでは彼本来のやさしさに立ち戻り、市井の人ーへの温かいまなざしを投げかけ、観る者の心を和ませた。芸達者ぞろいの演技陣のなかでも、渡辺篤と伴淳三郎の好演が光る。

  • どですかでん

    制作年:

    山本周五郎の小説『季節のない街』を映画化した黒澤明監督作品。電車バカの六ちゃんを狂言回しにして、牧歌的な夫婦交換の話、浮浪者の親子の話、悪妻の話など、市井の人ーの8つのエピソードが、互いに入り組みながら現実の時間の推移を軸にして展開していく。木下惠介、市川崑、小林正樹そして黒澤明という日本を代表する巨匠4人で結成した“四騎の会”の第1回作品で、黒澤初のカラー作品でもある。ギラギラした人間像を描き続けてきた黒澤が、ここでは彼本来のやさしさに立ち戻り、市井の人ーへの温かいまなざしを投げかけ、観る者の心を和ませた。芸達者ぞろいの演技陣のなかでも、渡辺篤と伴淳三郎の好演が光る。

  • 生きものの記録

    制作年:

    町工場の経営者、中島喜一は原水爆の実験に脅威を感じ、この地球上で安全な場所は南米しかないと考える。そして、家族にも相談しないで南米への移住を計画。工場で生計を立てている息子たちは父の計画に猛反対し、父を裁判にかける。財産を自由に処分できない準禁治産者に認定してもらうためだ。ブラジルへ行けなくなった中島は、急に不安が募って発狂し、工場を放火してしまう……。黒澤明が原水爆反対の立場を表明した映画だが、興行的には失敗した。三船敏郎がフケのメイクで熱演。黒澤との名コンビで知られる音楽の早坂文雄は、主人公の心の不安を映し出す主要な楽曲を残したあと、作品の完成を見ることなく逝去した。

  • 白痴〈1951年〉

    制作年:

    黒澤明が長年の夢であったドストエフスキーの名作を、舞台をロシアから北海道へ移し変えて映画化した野心作。善の権化である美しい亀田青年、彼を愛する二人の女・綾子と那須妙子、そして妙子を野獣のように愛する赤間伝吉の4人の間には、時には美しく時には神々しいまでの愛と激しい憎悪が燃えあがる。この作品は当初4時間25分の長さで前後編に分けて上映されることになっていたが、試写を見た松竹首脳陣が難色を示し大幅にカットされることに。それに激怒した黒澤監督が“切りたければフィルムを縦に切れ!“と怒鳴ったという逸話が残っている。結局ふた通りのバージョンが作られ、長尺版の3時間30分のものは東劇で3日間だけ公開、現在見ることができる2時間46分のものは、一般公開時のもの。

  • どん底〈1957年〉

    制作年:

    ゴーリキーの同名の戯曲を、監督の黒澤明と小国英雄が翻案。陽の当たらない、江戸の場末の棟割長屋に暮らす鋳掛屋、夜鷹、飴売り、遊び人、役者くずれ、泥棒、お遍路など、様々な人々と嫌われ者の大家夫婦が織り成す辛口の人生模様。黒澤としては珍しく短期間・低予算で仕上げた作品である。それまでの長い製作期間と膨大な製作費に業を煮やした東宝は、この作品を黒澤自身に製作させた。黒澤はオープン・セット一杯と室内セット一杯だけを作り、入念なリハーサルをして複数のカメラで一気に撮り上げたといわれている。

  • どん底〈1957年〉

    制作年:

    ゴーリキーの同名の戯曲を、監督の黒澤明と小国英雄が翻案。陽の当たらない、江戸の場末の棟割長屋に暮らす鋳掛屋、夜鷹、飴売り、遊び人、役者くずれ、泥棒、お遍路など、様々な人々と嫌われ者の大家夫婦が織り成す辛口の人生模様。黒澤としては珍しく短期間・低予算で仕上げた作品である。それまでの長い製作期間と膨大な製作費に業を煮やした東宝は、この作品を黒澤自身に製作させた。黒澤はオープン・セット一杯と室内セット一杯だけを作り、入念なリハーサルをして複数のカメラで一気に撮り上げたといわれている。

  • 野良犬〈1949年〉

    制作年:

    暑い夏の日の午後だった。若い村上刑事は射撃訓練の帰り道、満員のバスの中でコルトを盗まれ、犯人を追ったが路地裏で見失った。そのコルトには7発の実弾が装てんされていたため、もしやこの銃を使って事件が起こるのでは、と村上は悩む。村上はスリ係の老刑事と、捜査線上に浮んだお銀という女を訪ね、なんとか貸しピストル屋を聞き出し、そこからさらに本多という男を捜し当てる。村上はベテラン刑事・佐藤と満員の後楽園球場に乗り込み、本多をおびき出す。逮捕された本多は、仲間の遊佐が拳銃を持っていると白状する。こうして村上と佐藤は遊佐を追いつめていくが、ついに村上のコルトによる強盗事件が起きてしまう……。黒澤はこの頃、初めて知った脚本家の菊島隆三と意気投合し、ジョルジュ・シムノンばりの犯罪映画を作ろうとして企画したのが本作品である。鋭い切れ味を出した演出が素晴らしい。

  • 野良犬〈1949年〉

    制作年:

    暑い夏の日の午後だった。若い村上刑事は射撃訓練の帰り道、満員のバスの中でコルトを盗まれ、犯人を追ったが路地裏で見失った。そのコルトには7発の実弾が装てんされていたため、もしやこの銃を使って事件が起こるのでは、と村上は悩む。村上はスリ係の老刑事と、捜査線上に浮んだお銀という女を訪ね、なんとか貸しピストル屋を聞き出し、そこからさらに本多という男を捜し当てる。村上はベテラン刑事・佐藤と満員の後楽園球場に乗り込み、本多をおびき出す。逮捕された本多は、仲間の遊佐が拳銃を持っていると白状する。こうして村上と佐藤は遊佐を追いつめていくが、ついに村上のコルトによる強盗事件が起きてしまう……。黒澤はこの頃、初めて知った脚本家の菊島隆三と意気投合し、ジョルジュ・シムノンばりの犯罪映画を作ろうとして企画したのが本作品である。鋭い切れ味を出した演出が素晴らしい。

  • 暁の脱走

    制作年:

    田村泰次郎原作の『春婦伝』を谷口千吉と黒澤明が脚色し、谷口千吉が監督した反戦映画の力作。舞台は戦争末期の中国中部戦線。敵の捕虜となり軍へ送還されて来た三上上等兵と慰安婦の春美は、いつしか激しい恋に落ちる。自由を求めて二人は脱走を計るが、機関銃の銃弾を浴び、折り重なって息絶えてしまう……。「銀嶺の果て」や「ジャコ万と鉄」で日本人離れしたダイナミックなアクション・タッチを見せ、黒澤明の好敵手として注目を集めていた谷口千吉の代表作。非人間的な日本軍の内部機構を、真正面から批判した最初の作品で、その後の反戦映画に大きな影響を与えた。同じ原作を鈴木清順監督が1965年日活で「春婦伝」という題で再映画化した。

  • 醜聞〈スキャンダル〉

    制作年:

    「野良犬」を完成させて脂ののりきった時期の黒澤監督作品。いたずらに醜聞を追うジャーナリズムを糾弾する一方で、病気の娘を持つ一人の弁護士の人間像を力強く描き出す。志村喬が弁護士役を熱演、醜聞に巻き込まれる歌手を演じる山口淑子は息をのむ美しさ。

  • 醜聞〈スキャンダル〉

    制作年:

    「野良犬」を完成させて脂ののりきった時期の黒澤監督作品。いたずらに醜聞を追うジャーナリズムを糾弾する一方で、病気の娘を持つ一人の弁護士の人間像を力強く描き出す。志村喬が弁護士役を熱演、醜聞に巻き込まれる歌手を演じる山口淑子は息をのむ美しさ。

  • 荒野の用心棒

    制作年:

    ニュー・メキシコ国境の町サン・ミゲル。この町ではロホ一家とモラレス一家が血生臭い争いを続けていた。そこにフラリと現れた風来坊のガンマンは、町民が彼らの犠牲になっていることを知り、ワナを仕掛けて無法グループを同時に壊滅させようとする……。黒澤明の「用心棒」を西部劇に翻案したこの作品は、そのすさまじい殺りく描写と奇想天外なアイデアで、レオーネ自身が予想もしなかったほど世界中で大ヒットし、マカロニ・ウエスタン・ブームの先鞭をつけた。ひげ面に葉巻をくわえたポンチョ姿のイーストウッドにとっては、大スターへのきっかけを作ったエポック・メイキングな作品となった。

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