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にっぽん昆虫記

【解説/みどころ】
東北生まれの女性の生命力に満ちた半生記を、エネルギッシュに描いた今村昌平の代表作。とめは大正7年、東北の農家で父・忠次と母・えんの娘として生まれた。23歳になったとめは、製紙工場で働くようになり、地主の本田家に無理矢理“足入れ婚”をさせられる。とめはそこで信子を生み、家を出た。上京したとめは、米軍基地ハウスのメイドや売春宿の女中となり、次第に客を取るように。やがて、コールガール組織のマダムとなって、田舎から娘の信子を呼び寄せる。売春罪で捕らわれたとめが出所すると、信子は母親のパトロンだった男の情婦になっていた……。戦中戦後を生き抜く女たちの生態を、昆虫観察の残酷さで見つめ抜く無類のリアリズム。とめの心情として時折、挿入される素っ頓狂な和歌が実に効果的で、日本的土着に根ざした庶民観を讃嘆と嫌悪こもごもにつかみ出す、懐の深い力作となった。


キャスト
左幸子北村和夫吉村実子北林谷栄河津清三郎露口茂
スタッフ
監督: 今村昌平 脚本: 今村昌平 長谷部慶次
上映時間・制作年
123分/1963年
制作国
日本
配給
日活


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