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『汝の名』“陶子”山崎紘菜「弱者は強者に搾取される」 自身に降りかかる皮肉な展開

ドラマ

ドラマ『汝の名』第2話より
ドラマ『汝の名』第2話より(C)テレビ東京

 女優の山崎紘菜と北乃きいがダブル主演するドラマ『汝の名』(テレビ東京系/毎週火曜24時30分)の第2話が12日に放送。勝ち組にのし上がったはずの陶子(山崎紘菜)だったが、あるきっかけで自分も「搾取されている弱者」だと気づくことになる。

【写真】陶子と彼女を意のままに操る河島(眞島秀和)

 明野照葉の同名小説を実写化する本作は、「女王様」と「奴隷」のような関係を築き上げてきた勝ち組の姉と負け組の妹が、憎しみ合いながらも心の奥底で依存し合う…ひた隠しにされている女の感情の「負」が惜しげもなくちりばめられたホラーサスペンス。誰もがうらやむ美貌と才能を持ち、自信に満ちあふれた若き社長で姉・麻生陶子を山崎が演じ、口数が少なく陰気で、輝く姉に必要とされることでのみ存在意義を感じる妹・麻生久恵を北乃が演じる。

 麻生陶子(山崎紘菜)の家にやってきた謎の女(長井短)。彼女は陶子のことを“里矢子”と呼び、金に困っていると伝える。この謎の女こそが本物の麻生陶子であり、3年前、河島(眞島秀和)に借金を肩代わりしてもらう代わりに、名義と戸籍を渡していた。その名義を譲り受けたのが、負け犬からの脱却を目指していた当時の三上里矢子で、妹の久恵と共に別人になりすましていたのだった。

 本物の陶子の来訪を知り、要求がエスカレートしていくのでは、と不安がる妹の久恵。しかし、陶子は妹に対して自信満々に「大丈夫。いい? 久恵、人生は勝つ負けるか。そのどちらしかないの。つまり、弱者は強者に搾取されるようにできているの。この世の中」と諭すのだった。

 しかし第2話ではその後、陶子の別の側面があらわになる。オーナーの河島とウェブデザイナーの恭平(京典和玖)の2人の男を手玉に取って上手く利用していたはずの彼女だが、帰宅すると久恵に「なんだかやっていることは結婚詐欺師かヒモみたい。時間割いて、2人の男と関係を持って、好みの女を演じて…。さすがに疲れる…」と疲労の色を隠せない様子。さらに、河島から自宅にドレスが届くと、それを着て翌日の会食に出るように陶子は指示を受ける。

 河島の手を借りて負け犬人生から脱却したようにみえた陶子。しかし、現実は河島の権力の傘を借りているため、彼に逆らえない自分も「弱者」だったことに気づいてしまった。ラストシーンでは、陶子がスタッフの言葉も上の空で、虚ろな表情の彼女をバックに「私も搾取されている弱者…」「金も地位も、必要な男も手に入れた。でも、充てがわれた仕事と役柄をこなしているだけのマリオネット」と、久恵に自身が放った発言が自身に降りかかってくるのだった。

 表層的には「勝ち組」という地位を手にしながら、本質的には「負け組」のままだと自覚してしまった陶子。次週予告では、彼女に名義を貸した本物の陶子が謎の死を遂げたことが明かされる。さらに、第2話エンディングで描かれた陶子と壱岐亮介(EXILE NAOTO)の出会いは彼女に何をもたらすのか。さらなる波乱の展開が期待される。

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