花澤香菜、『ポケモン』コハルの変化を語る イーブイとの出会いは「大きな転機」
テレビアニメ『ポケットモンスター』(テレビ東京系/毎週金曜18時55分)では、ポケモンバトル最強を決める大会「ポケモンワールドチャンピオンシップス」のマスターズトーナメントにて、サトシたちが熱いバトルを繰り広げています。一方コハルとパートナーのイーブイは、“進化”についてふたりで答えを出そうとしています。今回クランクイン!トレンドは、コハルを演じる花澤香菜にインタビュー。コハルの変化や成長、そして『ポケットモンスター』(以下『ポケモン』)の現場で学んだことについて語ってもらいました。(取材・文=M.TOKU/写真=松林満美)
【写真】かわいすぎる! イーブイを見つめる花澤香菜
■コハルが殻を破ったのはイーブイのおかげ
――テレビアニメ『ポケットモンスター』(以下『アニポケ』)では、コハルを約3年演じてきましたが、彼女に対する思いを教えてください。
コハルは元々ポケモンを集めたりバトルをしたりすることには興味がなく、サトシたちのように、前のめりになってポケモンのためにどこかへ出かけるということもありませんでした。あまり感情を表に出さず、周りを気にするタイプだった気がします。
そんな彼女もサトシやゴウに触発されて出かけるようになり、ポケモンと触れ合う楽しさを知りました。何よりもイーブイとの出会いが彼女にとって大きな転機になったと思います。自分の将来について悩んでいたコハルは、しんかポケモンなのに何にもなりたがらないイーブイに共感し、一緒に出かけて色々な人と出会うことで、少しずつ変わっていきました。
――具体的にはどのような変化を?
「この子のために何かをしてみよう」と考え、行動に移せるようになった気がします。お父さん(サクラギ博士)に色々と尋ねてみたり、イーブイの進化形をパートナーとするトレーナーさんたちと交流したりと、積極的に外へ出るようになりました。コハルが殻を破ったのはイーブイのおかげです。この出会いがなければ、きっとポケモンコンテストに出ることもなかったんじゃないかと思います。
――イーブイに対してはどんな印象を持っていますか?
色々まねっこできちゃうので、器用な子だなと思います。色々できるからこそ、特別これになりたいと思わないのかもしれません。コハルもイーブイがどのまねっこをやっても楽しそうだから、余計に迷っちゃうんじゃないでしょうか。私としては、このままイーブイでもいいと思っています!
■今の声優人生を築く“17歳で感じた悔しさ”
――コハルが自分の将来について悩んでいるという話がありましたが、花澤さんは子どもの頃、どのような夢を抱いていましたか?
幼い頃から子役をやっていたこともあってか、漠然と女優になるんだと思っていました。将来の夢を聞かれたときも、「女優」と恥ずかしげもなく答えていましたね。ただ、それに対してすごく努力をしていたかというと、そういう訳でもなく…。目標を掲げていることに満足していただけなので、現実的に考えているコハルちゃんはすごいと思います。
――女優になりたかったのは、お芝居が好きだったから?
いえ、目立ちたがり屋だっただけですね(笑)。例えば学芸会では、絶対に名前のある人の役をやりたいタイプでした。お妃(きさき)の役をやるときに、キラキラしたものを集めるのが大好きなおばあちゃんからスパンコールのグッズを借りて、ドヤ顔で出演していた記憶があります。
あと、子役をやっていた頃に授業を早退することが何度かあったのですが、そのときは「仕事行きますけど、何か?」みたいな顔をしていました(笑)。小さい頃から、人と違うことをしたいという欲があったんだと思います。
――今もそういう気持ちがあるのでしょうか。
どうだろうなぁ(笑)。ただ小学生のときに陰口を言われちゃったことがありました。しかも、一番言われたくなかった子から。そのときに「このままだとみんなに嫌われる」ということを子どもながらに確信して、鼻がポキっと折れたんです。そこからは、オーディションのように人と違うことが必要なとき以外は、大人しくしています(笑)。
――では、花澤さんが声優活動の中で、進化したなと思うポイントは?
17歳のときにテレビアニメ『ゼーガペイン』(テレビ東京系)でヒロイン役を演じさせてもらったのですが、当時は経験したことがないほど、大量のセリフを言うことになったんです。とにかく全力で演じたのですが、当時のクラスメイトから「あんな棒読みだったら俺でもできるよ」って言われて! そのときは悔しかったけれど、何も言い返せませんでした。「そらそうだよね」って思うくらい、下手くそだということを自覚していました。
――そんな経験が…。
でも、いま誰かに同じようなことを言われたら、ちゃんと言い返せると思います。「そうですか、ではご自身でやってみては?」って! それが、進化したポイントですね。
――それだけ努力と経験を積んできたということだと思います。
もちろん自分の力だけではなく、さまざまな現場で色々な方から引き出してもらった部分は大きいです。これだけ長く声優を続けられていることが、自信につながっていますね。
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