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加藤嘉

加藤嘉 出演映画作品

  • 砂の器〈デジタルリマスター〉

    制作年:2005年6月18日(土)公開

    今は亡き野村芳太郎監督が手がけた'74年の社会派サスペンスが、デジタル修正を施されニュープリントで登場。日本映画史を飾る不朽の名作がスクリーンに甦る。格段にクリアになった映像と音声の素晴らしさもさることながら、松本清張原作による人間の哀しき宿命を見つめた物語も心に染みる。

  • ねずみ小僧怪盗伝

    制作年:

    野村芳太郎監督が率いるプロダクション・クラップボードの製作第1回作品。義賊ねずみ小僧は実は姉弟の二人一役だったという設定で、むっつり右門や遠山金四郎、唐人お吉、赤ひげ先生まで登場する時代劇コメディ。中村雅俊と小川真由美が江戸を舞台に大暴れ!

  • 死闘の伝説

    制作年:

    木下作品としては珍しくアクション映画的要素を持った作品。太平洋戦争末期の北海道を舞台に、疎開してきた園部家の娘に村長の息子との縁談が持ち込まれる。だが村長の息子は大陸で残虐行為をしていたため、園部家はこれを断る。以来、村人たちの園部家への嫌がらせが始まり……。異色の戦争寓話でもある。

  • 競輪上人行状記

    制作年:

    西村昭五郎監督の会心のデビュー作。住職の突然の死で、オンボロ寺を任された男が未亡人への思慕も手伝って、真面目に務めを果たそうとする。ところが未亡人にふられて、ヤケになって競輪に狂い、すべてを失う。最後には競輪の予想屋になって生き抜いていくバイタリティーが、実に爽快だ。

  • 告訴せず

    制作年:

    衆院選に立候補した木谷は、派閥を裏切り、反対派のボスから3千万円を調達する。ところが金の運搬役が、その金を横領して姿をくらましてしまう。告訴したくても告訴できない、社会の仕組みを鋭く突いたブラック・コメディ。主役の金に操られていく男を青島幸男がコミカルに演じている。

  • 可愛い悪魔 いいものあげる

    制作年:

    オナペット女優No.1と言われた肉体派渥美マリが、自立した女性のふてぶてしさを好演した作品。幼い頃に両親と死に別れ、芸者置屋の女将に育てられた石川ゆみの夢は、いつか豪華なクラブを持つこと。その目標のため、彼女は自分の若い体を武器に、社長の愛人として、男を渡り歩いていく。

  • わが生涯のかがやける日

    制作年:

    暗黒街の用心棒でかつて青年将校の反乱グループのリーダーであった男を、その男に父を殺されたことを知らぬ娘が愛してしまう。戦争によって深い悲しみを背負った人々の姿を、混乱した社会を背景に描いた作品。当時の米軍検閲によって大幅に修正された。

  • 青葉城の鬼

    制作年:

    山本周五郎の小説『樅の木は残った』の映画化。主人公、原田甲斐は、実説では伊達六十二万石の存続を危うくした、お家騒動の黒幕的存在。これを、実はこの騒動が、老中・酒井雅楽頭の外様大名取り潰しの策謀であるとし、伊達家存続に尽力しながら、一人で罪を背負って死んだ男として、原田甲斐を解釈している。長谷川一夫が、善悪の境界線上で苦悩する甲斐を熱演。

  • 忍びの者

    制作年:

    大泥棒として有名な石川五右衛門を、権力に反逆した下忍として描いた村山知義の同名小説の映画化。監督は社会派の巨匠・山本薩夫があたり、リアルで豪快なアクションと権力の道具として生きるしかない下忍の反逆の叫びを描き出し、時代劇映画に新たな地平を切り拓いた。戦国末期、全国制覇の野望に燃える織田信長は延暦寺、石山本願寺など宗門の掃討に取りかかる。伊賀の国、百地三太夫配下の下忍・石川五右衛門は抜群の技術を誇り、仲間から一目置かれる存在だ。天台、真言修験僧の流れを汲む忍者たちは信長暗殺の密命を受けるが、なぜか五右衛門だけは残されてしまう……。三太夫役の伊藤雄之助の迫力ある熱演が見もの。

  • 背徳のメス

    制作年:

    黒岩重吾の直木賞受賞作を野村芳太郎監督が演出したサスペンス・ドラマ。宗教団体の資金で運営されている大阪の病院を舞台に、金と欲望にまみれた人間たちが、互いに殺意を抱きながら生きていく姿を赤裸々に描いていく。田村高廣が「白い巨塔」と正反対の役柄で、女に溺れ汚れきった医師を演じている。

  • 破戒〈1948年〉

    制作年:

    自然主義作家の島崎藤村の小説で、瀬川丑松とお志保の愛の物語。この部落差別の問題を扱った原作を、木下監督は千曲川を背景にした自然の中で、きわめて叙情的に描く方法に徹し、差別問題という重い題材には深入りせず、ピュアな青年と少女の恋愛物語として仕立て上げている。

  • 月光仮面・怪獣コング

    制作年:

    国際暗殺団は8名の死刑囚を脱獄させ、彼らを使って山脇博士をはじめとする日本の10人の重要人物を暗殺せんと企てる。さらに彼らは怪獣コングを使って政府の高官を襲撃。ついに警察総監が怪獣コングに襲われた。そこに月光仮面が現れ、たちまちコングを撃退する。

  • 赤い殺意〈1964年〉

    制作年:

    封建的なところがあった頃の東北を舞台に、古い因習の重圧に苦しむ小心な女が、ある事件を契機に強い女へと変わっていくさまをどっしりと描いた今村映画の真骨頂。「にあんちゃん」が文部省推薦になり、あまりの恥ずかしさにもっと“まじめな”ものを作ろうと企画したというのがいかにも今村らしい。古い家族制度の中でいちばん下におかれ、いつもビクビクしながら生活している貞子。小心な大学職員の夫が留守の夜、眠っていた彼女は強盗に犯された。一度は死のうと思った貞子だが、なかなか死ねずにあきらめる。その後も強盗はやってきて関係を持つうちに、本気で貞子を愛するようになる。心臓を病む強盗は、最初は暴力で犯したのに、やがて哀願に変わる。貞子は強盗に殺意を抱くが、自分が手を下す前に男は病死。そして強くなった彼女は家族の中で主婦の座を確立するのだった……。地味な題材を暗くせずに、女性の心奥に隠れているバイタリティーさ、生命力の噴出を描いて、今村節が冴えわたる重喜劇。

  • 純愛物語

    制作年:

    不良仲間から足を洗おうとしてリンチを受けそうになっていたミツ子は、ふとしたことから貫太郎に助けられる。二人は組んでスリをして稼ごうとたくらむが、警察に捕まり、貫太郎は鑑別所へ……。新人の中原ひとみを主役に起用し、みずみずしいタッチで描いて大ヒットした青春ドラマ。

  • 億万長者

    制作年:

    実直で小心者なるがゆえにうだつの上がらない薄給税務署員・館。しかしそんな彼が作成した脱税メモが、周囲の人間を大騒動に巻き込んでいく……。安部公房、和田夏十、横山泰三らのシナリオ協力を得て完成した風刺喜劇。青年俳優クラブ自主製作作品。

  • 神々の深き欲望

    制作年:

    神話が息づく南の島を舞台に、伝統と近代化との相克、日本民族の根源的な生と性、さらには日本の風俗のルーツまでをも描ききった今村昌平の最高傑作。今村作品としては初のカラー映画だが、南島の陽光と自然が最大限に効果をあげている。南方に現代文明からとり残された島があった。島民は原始的な農耕と土俗信仰に生きているが、そんな島にも東京から観光開発の調査のため、都会人が入り込んで来る。島の神事をつかさどる一家は、一方で近親相姦の一族として島民からさげすまれていた。そして兄妹相姦の果てに悲劇が待ち受けて……。原始的な性により、男を虜にする女の性の強烈さを沖山秀子が好演。

  • 大いなる旅路

    制作年:

    大正末期から満洲事変、日支事変、そして大東亜戦争へと移る激動の時代。ある事故を機に、列車の安全に生涯をかけようと誓った一人の国鉄機関士・岩見と、その家族の波乱に満ちた半生を30年にわたって描き出した人間ドラマ。新藤兼人のオリジナル・シナリオを、社会派・関川秀雄がヒューマン・タッチで映像化した。

  • 続・べらんめえ芸者

    制作年:

    第1作と同スタッフによる、美空ひばりの名物シリーズ続編。今はなき柳橋の有名な待合の娘、芸者の小花は男勝りのちゃきちゃきの江戸っ子。テレビ工場の見学をきっかけに、ある電気メーカーの乗っ取り騒動に巻き込まれた小花は、義噴にかられてパーティーの席上で小気味良いタンカを切った……。

  • 飼育〈1961年〉

    制作年:

    松竹を退社した大島渚がパレス・フィルムというプロダクションで監督した、大江健三郎の同名小説の映画化。大戦中、米国の爆撃機が山中に墜落、脱出した黒人兵が猟の罠にかかり村人に捕らえられるが、村には疎開者が多くトラブルが絶えない。そこで地主はトラブルの原因は黒人兵にありと断定し、彼を殺してしまう……。原作では子供たちの視点が中心だったが、映画では戦争末期の閉鎖的な社会に生きる大人たちを見据えている。のちの大島作品に通じる日本の共同体の支配者のエゴや戦争責任が描かれる。黒人兵を土葬するラスト近く、カメラが地中から土をかける村人たちのたくさんの手を見上げているのが印象的。映像作家・松本俊夫、脚本家・石堂淑朗、写真家・東松照明の3人が脚本協力している。

  • 心中天網島

    心中天網島

    制作年:

    篠田正浩が10年来構想を練っていた近松門左衛門の浄瑠璃を映画化。脚本に詩人の富岡多恵子と音楽家の武満徹が参加している。紙屋治兵衛は、女房子供のある身で女郎・小春と深いなじみになり、ついには女房を捨て小春と情死行に至る。前半の浮世絵の複写や、巨大な文字の壁などで構成されたユニークなセットが舞台となり、後半の道行きや心中の場面はロケ撮影となっている。墓地での濃厚なラブシーンや、最後の鮮烈な心中シーンに治兵衛と小春の情熱的な愛と性が象徴的に表現される。成島東一郎の白黒の映像と、武満の音楽が独特の雰囲気を作っている。女房と遊女の二役をこなす岩下志麻の演技も高く評価された。

  • 制作年:

    名匠・今井正監督が手掛けた初めてのカラー作品。霞ヶ浦の農村を舞台に、地方の因襲や生活状況を描く。農家の母を演じる望月優子の体当たりの演技が評判をとり“日本のお母さん”女優と呼ばれるようになった。中尾カメラマンが捉えた田園風景が美しい。

  • ファンキーハットの快男児

    制作年:

    深作欣二監督が、かけだしのころに手掛けた中編アクション。国産省局長の子息が誘拐された事件を追って、私立探偵の息子で遊び人の天下一郎が奔走。やがて産業会館建設の入札をめぐる建築会社同士の争い、利権をむさぼる政治家の陰謀が明らかになる。のちに深作作品のトレードマークとなる、手持ちカメラの疾走感あふれる映像がフィーチャーされている。

  • 武士道残酷物語

    制作年:

    自己を犠牲にしてまで主君に仕える日本人の被虐的精神構造を、江戸時代から現代までの7つのエピソードで描くオムニバス映画。第13回ベルリン映画祭で金熊賞を獲得した。物語は現代に生きるサラリーマン・飯倉が、ダムの入札をめぐって上役から競争会社の情報を盗むように言われ、スパイをしたその恋人が自殺未遂をするところから始まる。映画はそこから飯倉の先祖にさかのぼり、主君や国家のために犠牲になって死ぬ飯倉家七代の残酷な歴史を綴っていく。藩主の落度を被っての切腹に始まり、殉死、不義密通の濡れ衣で男根を切られたり、老中に娘を献上したり、戦争で死んだりと、異様なエピソードの数々に日本人の原形が重ね合わされる。

  • 飢餓海峡

    飢餓海峡

    制作年:

    青函連絡船・洞爺丸が台風のため、転覆し、多くの犠牲者を出した実話に基づいて書かれた水上勉の小説を映画化。見事なスリラー形式の運命劇として内田吐夢の代表作となった。“日本人全体を覆う飢餓状況を象徴する”ため、内田監督は特殊な映像処理を試み、主人公たちの心理の陰影をうまく描写。また、推理として現れるシーンでもレリーフの効果を出すなど、苦労のあとが見られる。まだ戦後の混乱冷めやらぬ頃、台風が津軽海峡を襲い、青函連絡船が沈没。だが収容した死体は乗客名簿より2名多かった。転覆事故のどさくさにまぎれた殺人事件の犯人を、老刑事・弓坂は10年に渡って追い続けていた……。“偶然”にほんろうされる人間の数奇な運命を、主人公の心の中に潜む善と悪を通して描く。当時、フィルム・カット事件から、内田監督が東映を退社したいわくつきの作品でもある。

  • ひろしま

    制作年:

    関川秀雄が、原爆体験者の手記『原爆の子』の一編を映画化した社会派ドラマ。広島A高校に通う三年のみち子はクラスで原爆当時のラジオを聴いていて、恐怖心から突然倒れてしまう。しかしそれは、原爆によって白血病を発症していたのだった……。

  • ゼロの焦点〈1961年〉

    制作年:

    松本清張の同名ベストセラーを、のちに名作「砂の器」を生むコンビ、野村芳太郎と橋本忍が映画化。金沢で広告会社に勤める男が死体で発見された。彼の死に疑問を感じた妻は、単身調査に乗り出す。時制が過去・現在と交錯するなかに、人間の性が浮かび上がる。能登半島でのクライマックスが印象に残る。

  • 真空地帯

    制作年:

    陸軍刑務所から原隊復帰した木谷一等兵の反抗ぶりと、ひそかに彼を支持する曽田一等兵。皇軍の兵隊を作り出す内務班教育の非人間的な残酷さの中で、木谷は上官に復讐し脱走しようとするが失敗し、外地へ送られる。野間宏の小説を山本薩夫がリアルに描く。

  • 空港の魔女

    制作年:

    羽田空港で偽ドルが発見される。偽ドル事件になぜか激しい執着を見せる新聞記者が、事件の鍵を握る女に巧みな手段で近寄る。女は新聞記者に自分と組むことを申し出るが、彼の妹は、実は偽ドル事件で殺されていたのだった。一度は女を好きになりながら、妹のために正義を貫く新聞記者を高倉健が好演したサスペンス・ミステリー。

  • 永遠の人

    制作年:

    昭和7年の九州阿蘇。地主・小清水の小作人の娘・さだ子には隆という恋人がいた。地主の息子・平兵衛はある日、片足を負傷して戦地から復員する。さだ子は平兵衛に犯され入水自殺を企てるが助けられる。12年の歳月が流れ、隆に去られたさだ子は平兵衛と結婚する。木下惠介得意のいわゆる年代記もので、全体が5章より成る昭和7年から昭和36年までのさだ子と平兵衛の愛憎、というよりは憎悪の半生記である。フラメンコのリズムに乗せて、従来の木下調リリシズムを裏返したように展開する“永遠の憎しみ”に貫かれた異色のホームドラマ。木下惠介はこの作品を木下作品には欠かせない高峰秀子のために作り上げたと言っている。吉田喜重が助監督として参加している。

  • 豚と軍艦

    制作年:

    社会の下層を生き抜く人間たちの欲望のエネルギーを賛嘆し、かつ笑い飛ばす、ふてぶてしい作風で異彩を放った今村昌平監督初期の秀作。米軍基地に隣接する横須賀を舞台に、チンピラの欣太がヤクザ組織にほんろうされ、機関銃を乱射するに至るさまを、重厚に辛らつに描き出す。美も醜も共々にかみ砕く今村演出の力業は充実のきわみを見せ、いわゆる“重喜劇”のスタイルを本作で確立した。ヤクザ組織の子分・人斬り鉄次役の丹波哲郎が、虚勢ばかり張る小心者を快演。胃病をガンと思いこんで鉄道自殺をはかるが果たせず、保険会社の大看板にしがみつくという抱腹絶倒の名シーンを残した。欣太の恋人役・吉村実子はこれがデビュー作。重要な役どころに捨て身で挑み、清新な演技を見せた。

  • 砂の器

    砂の器

    制作年:

    監督・野村芳太郎、脚本・橋本忍のコンビによる松本清張原作の傑作社会派サスペンス。迷宮入りと思われた殺人事件を捜査する二人の刑事の執念と、暗い過去を背負うために殺人を犯してしまう犯人の宿命を描く。後半、二人の刑事がすべてを明らかにする捜査会議と、犯人である天才音楽家が自ら指揮する交響曲の発表演奏会、そして彼の暗い過去である、北陸、若狭、出雲と巡る父と子の道行きの回想シーンが、人形浄瑠璃にヒントを得たカット・バックで描かれる構成は見事。また、そこで演奏される交響曲『宿命』は、四季折々を捉えた映像と相まってたぐいまれな感動を生んでいる。2005年にデジタルリマスター版が公開された。

  • 座頭市血笑旅

    制作年:

    5人組の殺し屋に狙われる座頭市は、自分の身代わりに殺された若い母親の赤ん坊を抱え、子守旅を続ける。5人組は好機とばかりに市に襲いかかり……。市の居合いも三隅研次の演出も冴え、大ヒットを記録。

  • あの橋の畔で 完結篇

    制作年:

    長い時を経て二人の男女は結ばれるが、不治の病に冒された妻は……といった、現在に通ずる“泣けるドラマ”にも影響を及ぼしている名作シリーズの完結篇。政略結婚の末、葉子は数々の不遇に遭ったが、遂に夫と離婚し、光晴のもとへ。しかし、光晴は担当医から彼女が病気で2年の命だと知らされる。それから時は流れて2年後、二人に奇跡は訪れるのか?

  • 眠狂四郎 勝負

    制作年:

    シリーズの実質的な出発点となった秀作。三隅研次の演出により風格ある仕上りをみせている。ある年の正月、狂四郎が偶然知り合った老人は幕政改革に燃える勘定奉行だった。彼は、将軍の子・高姫の御化粧代二万両を支給停止にするなどの政策で、幕府の特権階級やその取り巻きから命を狙われていた。老人の人柄に惹かれた狂四郎は、彼の命を守るため高姫の一味と斬り結ぶ。謎の女に操られた刺客たちとの決闘、柳生との御前試合など見せ場も数多い。また二八そば屋の呼び声や正月の風物などの江戸情緒が詩情を添える。狂四郎の人物像はより虚無的になり、もはや、いささか一徹な、かの老人にしか心を開かない。

  • 陸軍残虐物語

    制作年:

    佐藤純彌監督の記念すべきデビュー作で、日本の軍隊の矛盾を痛烈に暴いた意欲作。補充兵として召集された犬丸らは、厳しい軍紀の中、鬼軍曹の亀岡らに徹底的にいびられまくり、ついには面会に来た犬丸の妻まで亀岡に犯されてしまう。人間としての忍耐の限界を超えた犬丸は……。西村晃の徹底した悪役ぶりも見ものである。

  • 女賭博師

    制作年:

    主人公の女賭博師は、一人の男をめぐって素人上がりの女賭博師と対立し、一方ヤクザの縄張り争いの犠牲になって死んだ父の仇を討つ。川口小枝が恋仇の女賭博師に扮し熱演する。

  • おはなはん・第一部/第二部

    制作年:

    勝気な女・はなが、明治・大正・昭和と時代の波にのまれながら、はつらつと生きていく姿を描いた人気TVドラマを映画化した作品。原作は実話にもとづいた小野田勇・林謙一の『おはなはん一代記』で、山田洋次が脚色している。TV人気のあおりで大ヒットした。

  • 若親分兇状旅

    制作年:

    海軍以来の親友・高木少佐の自決の謎を探るべく、軍港に近い町にやって来た南条武。彼はかつての高木の部下・金杉と、東西汽船の社長・丸屋との武器空輸が、高木の死に関係あることを突きとめる。「ある殺し屋」などで知られる森一生によるシリーズ第7作。

  • ふるさと

    制作年:

    岐阜県の徳山村を舞台に、ダム工事のためにまもなく故郷を捨てなければならず、ボケの初期症状にも悩まされている老人が、自然の中で子供と対峙することで心をなごませ、ふるさとの山野を眺めながら息を引きとっていくまでを描いた叙情味豊かなドラマ。プレハブ小屋に住まわされている老人が、アマゴ釣りの名人だと知った少年は、老人に釣りを教えてくれと頼む。この少年との触れ合いによって老人の心もなごみ始め、やがて夏の終わり、二人は秘境・長者ヶ淵にやって来る。

  • 海軍〈1963年〉

    制作年:

    太平洋戦争勃発の原因となったハワイの真珠湾攻撃に到るまでを、男の友情、男女の純愛をシンクロさせて若者の生き方を描いた戦争映画。北大路と三田が演じる恋愛場面、北大路と千葉の男の友情など、胸を熱くさせる。主人公は兵学校に合格したが、友人は落第。友人の妹は主人公に憧れていたが、兄のため気持ちを胸中に秘め……。やがて、学校を卒業した彼は艦隊に乗る。

  • 八州遊侠伝 源太あばれ笠

    制作年:

    「白鷺三味線」(1955)に続く、“八州遊伝“もの第2作。悪役人・大月忠馬の手から逃れた大岡源太郎。忠馬は、源太郎の恋人・お町をさらい、さらにお町の父・喜左衛門の命を狙う。かつて、忠馬は喜左衛門とともに幕府へ献上する、財宝と名器・白鷺三味線を奪った過去があり、事のすべてを知っている者を殺そうとしていたのだ。源太郎は、忠馬の悪事に立ち向かう……。

  • 花吹雪鉄火纏

    制作年:

    油がうなぎ登りに値上がりする天保改革前。そこに目をつけた油問屋の山崎屋は邪魔な油屋を次々と取り潰していった。その標的にされた武蔵屋も放火され、武蔵屋となじみの火消し、長次は事件の探索に乗り出す。長次は山崎屋の様々な妨害を受け、あげくに武蔵屋の主人も殺されてしまい……。すさまじいまでの油屋の抗争劇を、大川橋蔵主演で描いた。

  • 影法師・寛永寺の血闘/続・影法師 龍虎相博つ

    制作年:

    賊に倒された幕府御金蔵の蔵番士の仇をとろうとする同僚の仙波龍之介が、途中で知りあった黙然と酒を飲み、興おこれば横笛を吹く浪人の天堂左近とともに犯人を追いかけていくという時代劇。阪東妻三郎が一人二役で、龍之介と左近を巧みに演じ分ける。

  • 制作年:

    壮年の大学教授は、若い妻との情交を鍵のついた日記に綴り続けていく。だがある日、その鍵を拾った教授の娘が日記の中味を見てしまい、娘は嫌悪から親への残酷な仕打ちを始める……。谷崎潤一郎の小説をもとに、ある家族の愛憎せめぎ合う性のゲームを神代辰巳が独特の淫靡な映像世界に展開する。

  • 大空の無法者

    制作年:

    とある小さな島の航空会社に腰を落ち着けることになった佐竹吾郎。だがこの航空会社には謎が多く、ある日社長に連れられて島を飛び立つと、なんと海上の貨物船から麻薬の入った木箱を吊り上げていた。吾郎はその様子を無線機で連絡、しかしそれが傍受され、保安官という彼の正体がバレてしまう。スリリングかつ軽快に展開するサスペンス・アクション。

  • アフリカの鳥

    制作年:

    中学受験を控えた仲良し5人組の対立と和解を描いた児童映画。多摩川の河原で、珍しい鳥を見つけた少年、強。愛鳥家の青年から、それがはるばるアフリカから飛んできたことを聞いた彼は、独力で鳥のことを書いたミニ新聞を発行する。ところが息子の勉強のじゃまになると、母親が怒り出して……。

  • ごろつき無宿

    制作年:

    九州の炭坑夫・武田勇は、落盤事故で死んだ父の遺書で東京へ出ることになる。途中、汽車の中で上京するバレーボール選手・ゆきと知り合い、将来の夢を語り合うが、勇を待っていたのは暴力団の抗争だった……。伊藤俊也、澤井信一郎が脚本を共同執筆した青春アクション。

  • 鉄火場慕情

    制作年:

    昭和初期の霞ヶ浦。土地の水運業を握る伊勢徳一家と、東京から乗り込んできた舛川組が激しく対立していた。伊勢徳の親分は、後継を養女・節子と代替の並木に継がそうとしたが、実の子に義理立てした節子は芸者となってしまう……。任侠ムードもあり、ラブ・ストーリーも入った人間ドラマ。

  • 木村家の人びと

    制作年:

    確たる目的がないにもかかわらず、ひたすら金を愛し、日夜小銭稼ぎに精を出す“木村家の人々“を主人公にした、ブラック・ユーモアに満ちたホーム・コメディ。彼らの異様なまでの金への執着ぶりをユニークなエピソードで綴る。明るい守銭奴を貫く親に対して、このままでいいのかと、子供が少し引いた目で見ているところがミソ。子役の伊崎充則が好演。

  • 蕾の眺め

    制作年:

    早坂暁の初の成人映画脚本、そして“ピンキー“こと今陽子のポルノ出演と、話題を集めたにっかつのロマンポルノ大作。陥没した乳首を持つストリッパーと、彼女に絡む二人の男を通して、女の持つ母性愛とその強さ、はかなさが数々と流れる歌謡曲とともに語られている。監督の田中登は久々のにっかつ演出。

  • 大喧嘩

    制作年:

    山下耕作が、「博奕打ち・総長賭博」など“ヤクザ映画“の名手として評価される以前に、東映時代劇路線の中で撮った初期作品。敵の親分を斬った榛名の秀次郎が、将来を誓い合った仲のおかよに別れを告げ、旅に出る。そして3年ぶりに戻ってみると、おかよはかつての弟分の妻に、自分の組は新興勢力に苦しめられる弱体組織になっていた。やがておかよに新興勢力の手が迫り……。

  • 関東テキヤ一家 喧嘩仁義

    制作年:

    関東テキヤ・菊水一家の国分勝は弟分とともに大阪入り。折しも大阪では近づく西大寺はだか祭りの庭場をめぐり、新興暴力団のテキヤいじめが始まっていた。テキヤ稼業に命を賭ける国分は、一人新興暴力団に立ち向かっていくが……。アクションもたっぷりの東映任侠路線映画。

  • 宮本武蔵〈1973年〉

    制作年:

    戦国時代の剣豪・宮本武蔵を描く吉川英治文学の映画化。本作品の前にも何度も映画化されたが、加藤泰監督版は青春チャンバラ活劇といった趣が強い。第1部・関ヶ原の戦いに生き残った武蔵は許嫁のお通と別れて剣の道を進み、吉岡道場の面々を次々に打ち倒す。第2部・宿敵・佐々木小次郎と出会った武蔵は、剣の迷いを沢庵和尚のもとで断ち切り、決戦の巌流島へと向かっていく。青春から成熟へと移っていく武蔵の姿を見事に捉えている。加藤泰特有のローアングル・ショットや、どしゃ降りの雨のシーンなどが作品に陰影を与えている。

  • 制作年:

    海の無法者・サメに因んでつけられた主人公のアダ名が題名になっている。主人公サメはその名のごとく極悪非道の限りをつくし、ついに悪党の首領にまで成り上がる。だが、以前手ごめにした尼僧の美しさが忘れられなくなり、次第に人間愛に目覚めていく。原作は真継信彦の同名小説。田坂具隆監督の異色作。

  • 秘剣破り

    制作年:

    市川雷蔵の傑作「薄桜記」の再映画化。名匠・伊藤大輔が新たに脚本を書き、監督も森一生から池広一夫に代わっている。主演は大映初出演の松方弘樹だが、このあと「眠狂四郎」「若親分」と雷蔵のシリーズを継承していった。剣と愛に生きた男の壮絶な忠臣蔵裏面史。

  • 闇の狩人

    制作年:

    金権汚職の田沼意次の時代を背景に、勢力の拡大を図る殺しの組織を率いる五名の清右衛門と、それにかかわる人々との愛憎劇、人間模様を現代的なドラマの感覚で描いた時代劇映画の佳作。殺陣に次ぐ殺陣の激烈なチャンバラ・シーンと、舞台美術が見もの。

  • 乳房を抱く娘たち

    制作年:

    高度成長下の農村。若者たちは皆都会へと出ていき、農民たちはやむなく労働力の機械化を受け入れるが、農村で粘り強く生き抜こうとする明るい青年の一団がいた……。当時の農村の悩みを反映した作品で、加藤嘉、伊藤雄之助らの脇役陣の好演もあって、決して暗くならぬ楽天的な青春映画といった一編。

  • 子育てごっこ

    制作年:

    自由主義者の作家のもとで学校教育も受けずわがままいっぱいに育った娘を、岩手県の山の中の小学校分校教師夫妻が預かり、自然のなかで人間らしさをしつけていく様子を描いたドラマ。同名の直木賞受賞作をベースに、素朴な山村の人情を、今井監督が手堅く描き出している。

  • どぶ

    制作年:

    終戦直後の横浜・鶴見川のほとりの湿地帯に建ち並ぶバラック作りの部落を、新藤兼人が実際に取材し映画化した作品。河童沼のルンペン部落に住む失業中の頭の弱い女、競輪狂の男、労働争議そっちのけの工員、新興宗教にすがる老婆、元新劇の名優だったと自称する男たちの人間模様を描く。「どん底」を思わせる美しい映画。

  • 股旅

    制作年:

    この作品の前年、市川崑はTV『木枯し紋次郎』の演出・監修を手掛けているが、本編はある種のヒーローであった“紋次郎“とは違い、どん底にいながら成り上がろうとあえぐチンピラ渡世人3人の青春を描いたもの。とはいえ、片意地はっていても、空腹と貧乏を友とする旅がらすの生活をリアルに描いている点は“紋次郎“に通じるものがあろう。渡世で名を売ろうとする源太、信太、黙太郎は、父を斬り、惚れた女を売り飛ばすなど、およそ人の道からはずれた旅を続け、みじめな死を迎える。主演の萩原、小倉、尾藤の取り合わせが絶妙で、1970年代初頭のシラケ世代の若者像とダブリ、姑息なタイプのアウトローとして異彩を放っている。

  • 鞍馬天狗 角兵衛獅子〈1951年〉

    制作年:

    鞍馬天狗は御用聞・隼の長七に折檻を受ける角兵衛獅子の杉作を助ける。そして、宿敵・近藤勇との一戦。またしても勝敗はつかず、西郷吉之助の命を受けて鞍馬天狗は一路江戸へ馬を走らせる。杉作に扮した美空ひばりがアラカンを食う。

  • タンポポ

    制作年:

  • でっかいでっかい野郎

    制作年:

    どこへ行っても厄介者で人並み外れた無鉄砲――“2代目無法松“気取りの風来坊を主人公にした野村監督の喜劇大作。とある娘に恋をするも、恋人がいると知ってスッパリあきらめ、逆に応援するくだりなど、いかにも渥美清主演らしい人情喜劇に仕上がっている。DVDは「渥美清メモリアル 渥美清・もうひとつの世界」に収録。

  • 獣の戯れ

    制作年:

    三島由紀夫の同名小説を原作に、ある女と男の奇妙な共同生活が描かれる恋愛悲劇の問題作。当時大映のエース女優であった若尾文子が、危うい壊れかけの女を、抑えた演技で好演した。優子と逸平の夫婦と、逸平が社長を務める会社でアルバイトする学生、幸二が主な登場人物。逸平は度々、優子に家庭内暴力を振るっていた。それを見かねた幸二が、逸平を殴り、半身不随の身にしてしまう。やがて幸二が出所後、3人は同居することに。

  • 夜をひらく 女の市場

    制作年:

    夜の銀座の引き抜き屋こと槌田昭。経営に苦しむクラブシャトウに狙いを定めた彼は、デマを流して大量引き抜きをかけ、シャトウのNo.1ホステスを獲得。続けて美人姉妹にアタックするのだったが……。1960~70年、夜の銀座を舞台にした小林旭の主演シリーズ“女の警察”の流れに連なる作品。

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