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3Dを超えた? 新しい劇場上映システムは、映画館離れの救世主になるのか

映画

 所変わって名古屋にあるシネコン「中川コロナワールド」。こちらには今年4月に日本で初めて、韓国の映画館運営会社でもあるCJ グループが開発した「4DX」を導入。3Dの一歩先を行く劇場上映システムといわれている。シーンに合わせて椅子が上下左右に動いたり、風や水(ミスト)、香り、煙りなどの演出が可能。いわば遊園地にあるアトラクションのようである。運営会社コロナの営業統括部・石黒太基さんのよると、「映画館でしか味わえないなにかをご提供したいと考え、導入しました。作品にもよりますが、映画館の稼働率が90%を記録するものもある」と、観客動員数は好調だとか。

 著者は本場韓国で体験してみたが、B級アクション映画でも二割増しで楽しめた。例えば、スクリーン内で爆発が起こると椅子が上下に動いたり、ヒップホップをがんがんに鳴らしながら、悪そうなキャラクターが登場したときは、甘い香りがふんわりと漂ったり。このような演出が作品に彩りを添えているように感じた。

 「4DX」を開発した韓国では、今年、シネコンであるCGVに設置された「スクリーンX」が話題になっている。「スクリーンX」とは、映画館の左右の壁にもスクリーンを設置し、270度の画面で映画が楽しめる上映方式。今年の釜山国際映画祭で、短編『THE X』(監督:キム・ジウン、主演:カン・ドンウォン、シン・ミナ)を「スクリーンX」で上映したのが初お披露目。「眼鏡なしで最大の没入感が味わえるワイドスクリーン、これが3D映画の未来か?」(イギリス『The Independent』)、「映画館の未来。視覚的感覚はもちろん、空間・距離的感覚までをもより豊かにしてくれる」(アメリカ『The Atlantic』)と評すなど、海外メディアの評判も上々だとか。

 日本国内での2013年の興行成績を、文化通信社の取締役会長・指田洋氏が、1900億円前後と予測した。お正月の興行成績にもよるが、2012年度の興行成績を下回るようだ。この現状を食い止め、再び観客に映画館へと足を運んでもらうには、映画館ならでのなにかを観客に提供し続ける必要がある。このような劇場上映システムの多様化が、そのきっかけになることを期待したい。(文:小竹亜紀)

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