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『モンテ・クリスト伯』『やけ弁』 岸井ゆきの、“天性の女優”の魅力

エンタメ

 『レンタルの恋』(TBS系)では、剛力彩芽に惚れる太賀の幼なじみで、恋心を抱く少女を演じ、『99.9‐刑事専門弁護士‐』(TBS系)では松本潤にいつもウザがらみするヘンな女を演じていた。NHK大河ドラマ『真田丸』では、真田信繁の3人目の妻・たかを賢く演じていた。ルソン帰りの帰国子女のカタコト具合もほどよく、俯瞰で全体を見る聡明さも同居していた。就職活動に励む女子大生を演じた「東京ガス」のCMでは、悲しい結末とリアルすぎる演技に「心が痛む」と苦情が殺到。放送中止になってしまったこともある。

 さらに2015年の映画『友だちのパパが好き』で、自分の父親を好きという友人と、翻弄される父親との間にはさまれ、両者を冷たく「変態」と罵っていたのも彼女。映画『散歩する侵略者』のスピンオフドラマ『予兆 散歩する侵略者』(WOWOW)では「家族」の概念を侵略者に奪われ、実の父親に得体のしれない恐怖を抱く難役を怪演。『下北沢ダイハード』では劇場に住みついている幽霊を演じた。そして、昨年公開の初主演映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』では、第39回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞し、着実にその実力を評価されてきている。

 月9でも大河でもサブカル映画でも、硬軟問わずにその作品のカラーに染まり、演技の温度も冷水から熱湯まで瞬時に変化させてみせる天性の女優。名バイプレイヤーと言われる人には、どの作品においても強烈なアクセントになるタイプと、「自分」を消してどこにでも染まるタイプとがいるが、岸井は間違いなく後者の方。だからこそ、どの役もホンモノに見える。役ごとの印象は非常に強いのに「顔」は覚えにくい、とらえどころのない稀有(けう)な若手実力派女優だ。(文:田幸和歌子)

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