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杉咲花、作品を通して「世の中にアクションを起こしたい」 年齢を重ね考える俳優としての人生観

映画

■「現場に行ったら丸腰で立っていたい」

――脚本をブラッシュアップする作業の参加にとどまらず、『エゴイスト』でLGBTQ+インクルーシブディレクターを務めたミヤタ廉さんを紹介されたり、成島監督はもちろん撮影後も宣伝チームと話し合いを重ねたりと、杉咲さんはさまざまな形で尽力されてきたと伺っています。

映画『52ヘルツのクジラたち』場面写真 (C)2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会
杉咲:今回こういった関わり方をさせていただいて、現場に行って演じることだけが物語に責任を持つことではない、と感じました。脚本打ち合わせに参加するといっても「ここは絶対に変えてください」ということではなく、一意見として自分が違和感を覚えたことを共有して、それを受けて制作側の意図を知ることであったり、「確かに精査していく必要があるかも」というやり取りが生まれることが、作品にとって健康的な時間になるのではないかと感じています。それは労力がいることでもありますが、その時間を必要なものとして受け止めてくださる制作陣の方とご一緒できたことは、本当に幸運なことでした。

――そのうえで現在の杉咲さんが思う“いい芝居”とは何なのか、とても気になります。


杉咲:矛盾かもしれませんが、「いかに表現しようとしないか」がいいお芝居につながるのではないかと思っています。物語のなかで息づく人物を表現するには、たった一瞬だけ目の前で起きていることを“真実”として捉える必要性があるのではないかと思っていて。もちろん机の上で思考を巡らせる時間も大切だと思うのですが、現場に行ったら表現の欲望を手放して、丸腰で立っていたい。それができる瞬間は自分にとってはかなり貴重で稀(まれ)なことですが、出来ることならずっとそんな表現ができたらと思うし、出口を決めず自分のコントロール下から離れたとき、初めて辿り着けるような表現をいいお芝居と言えるのではないか、と、いまは思っています。

(取材・文:SYO 写真:松林満美)

 映画『52ヘルツのクジラたち』は、全国公開中。

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