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木戸大聖、28歳で掴んだブレイク 困難を乗り越えた20代→挑戦を続ける30代へ

映画

木戸大聖
木戸大聖 クランクイン! 写真:上野留加

 話題作への出演を重ね、みずみずしい存在感と確かな演技力でメキメキと頭角を現している俳優の木戸大聖。柔らかな笑顔が印象的な彼だが、映画『ゆきてかへらぬ』では、無邪気さと狂気を放ちながら、今もなおファンを生み出し続けている天才詩人・中原中也の生き様を体現。見事に新境地を開いている。「悔しかったり、うまくいかない時期があったからこそ、“当たって砕けろ精神”が身についた」という木戸が、本作で果たした数々のチャレンジや、30代への展望を明かした。

【写真】横顔も素敵! 木戸大聖の撮り下ろしカット(全5枚)

■実在した人を演じる覚悟「まずは知ることから始めました」

 “文化の百花繚乱(りょうらん)”を極めた大正時代から昭和初期を舞台に、実在した男女3人の壮絶な愛と青春を描く本作。『ツィゴイネルワイゼン』や『セーラー服と機関銃』の田中陽造が40年以上前に書いた幻の脚本を、この脚本に焦がれ続けていた根岸吉太郎監督が16年ぶりにメガホンを取り、映像化した。

 2人の男性に愛されるヒロインの泰子(広瀬すず)。泰子を愛しながらも、お互いに友情や尊敬の念を抱いている中也(木戸)と小林(岡田将生)。中也と小林にしか分からない世界に入り込めず、嫉妬する泰子…。本作は、3人の男女による奇妙な三角関係が魅惑的に描かれる。

『ゆきてかへらぬ』メインビジュアル (C)2025「ゆきてかへらぬ」製作委員会
 広瀬すず&岡田将生という実力派俳優が顔をそろえる中、中也という大役を担った木戸。オファーが舞い込んだ時の心情について、「最初はとてもプレッシャーを感じていました」と苦笑いで振り返る。

 劇中に登場したのは、狂気や純粋さ、孤独をたたえた眼差しが見る者の心を奪いつつ、大正時代の空気もしっかりとまとった中也だ。木戸は「実在する人物を演じること自体、初めてのこと」だそうで、中也について徹底的に調べることから役作りをスタートさせた。「現代を生きている自分が、大正時代を生きた天才詩人である中也を理解するためには、まず知るところから始めて、距離を縮めていかなければいけないと思っていました。山口県にある中原中也記念館に行って、いろいろな資料を読ませていただきました」。調べていく中で発見したのは、「中也はいい家庭に生まれ、小さい頃から“神童”と呼ばれていて。そういった環境に対する反骨精神から家を飛び出して、それこそが彼が詩を捕まえようとする原動力になっていたのではないか」ということ。「マイナスの感情が詩に活かされていて、中也の詩には、彼の中で生まれた感情が正直に投影されているんだと感じました」と発見したことをキャラクターへと注いだ。

『ゆきてかへらぬ』場面写真 (C)2025「ゆきてかへらぬ」製作委員会
 颯爽(さっそう)とローラースケートで走り抜けたり、けん玉をしたり、フランス語を話したりする中也を演じる上では、「練習しなければいけないことがたくさんあった」という。「ローラースケートもゼロの状態から、よちよち歩きの状態から始めました」と目尻を下げながら、「フランス語も多少なりとも勉強した上で、あえて下手に読む必要のあるシーンもあって。いろいろなことに挑戦させていただきました」と語る。

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■広瀬すず&岡田将生に「120%の力でぶつかった」

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