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池松壮亮、劇中ほぼ裸の問題作『愛の渦』に自信!「迷いなく出演したいと思った」

映画

 約2週間、ほぼ同一の場所での撮影。池松の言葉を借りると「きついシーン」も多々あったという。「控室もないような場所なので、撮影中も合間も共演者とはずっと一緒にいる感じでした。しかもバスタオル1枚といった感じで(笑)。でも裸の付き合いという言葉ではないですが、変な一体感はありました。信頼し合っていないとできないシーンもあったので……。ネジが外れて、麻痺していたのかもしれませんね。普段さらけ出さないようなことも話をしたような気がします」。そんな状況について「人前で脱いで(演技を)するわけですから、大変じゃないと言ったら嘘ですけれど、スポーツをやっているような感覚でしたね」と独特の表現で撮影を振り返った。

 池松のパートナーとなる門脇麦は、メインとして映画に出演するのは、ほぼ初めてという状況下にも関わらず、かなりきわどいシーンにも果敢に挑んだ。「あえて距離を詰めるようなことはしませんでしたが、コミュニケーションはとっていました。彼女はすごく色々なものを両極端に持っている子で、強さや弱さ、信じているものと信じていないものが混在している感じ。とても人間ぽいなって印象を受けました」と共演の感想を語った池松。さらに「相当勇気があるし、とてもクレバー。素晴らしい女優さんだと思いました」と門脇をたたえた。

 「エロい意味ではなく、人間の肌ってスクリーンを豊かにしてくれるんですよね」とつぶやいた池松。画面を通して、息が詰まるような緊張感が伝わってくる本作だが、確かに人肌の醸し出す温かさが、張り詰めた空気を緩和してくれているように感じる。その緊張と緩和のバランスが一気に崩れるのが、マンションを出たあとの池松と門脇が対峙するラストシーン。「この物語を通じて、心と体を切り離すことって出来るのかという問題をつきつけられたんですけど、結局答えは出ない。そんなラストがすごくいいんですよね。台本を読んでショックを受けましたけど……(笑)」。心にピリッとした痛みが走るラストにも注目だ。(取材・文・写真:才谷りょう)。

 映画『愛の渦』は3月1日よりテアトル新宿ほかにて公開。

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