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ジブリの今を描く『夢と狂気の王国』砂田麻美監督、「早く忘れたい」と語った真意は?

映画

 新たなテーマへの強い意識を実感したこと以外にも、ジブリに通い続けた1年間は砂田監督にある変化をもたらす。「これまで生きてきた中で、世の中の動きに一番敏感になった時期でした」。宮崎監督はテレビもインターネットも見ないと言う。「宮崎さんは、常に自分の目で見たものを通じて、世の中の動きに耳を澄ましている。例えば『屋上から見えるアパートに止まっている自転車の数がどんどん増えているのは何を意味しているのかわかるか?』と質問される。そういったことから、今なにが起きているかを考え、察知するんです。直接的な媒体に触れることはなくても、世の中の動きには敏感になりました」。

 「こうした宮崎監督の考えは映画『風立ちぬ』にも反映されている」と砂田監督は語る。「『風立ちぬ』という映画は、宮崎監督にとって、ずっと前から作りたくて満を持して作った作品ではなく、世の中の不穏な足音をキャッチし、何か見えないものによって作らされているんだろうなって感じがしました。もし『夢と狂気の王国』に携わらなかったら、普通に(宮崎監督は)飛行機が好きだったから、思う存分飛行機の出てくる映画を作ったのかなとか、最後の作品だから子ども以外の人が見る映画を作ったのかなという考えで終わってしまっていたかもしれません」。

 「早く忘れたい」と思う一方で、砂田監督に多くの影響を与えた映画『夢と狂気の王国』。映画の中で「縁」と「運」というフレーズが登場するが「最初はジブリ作品が出る際の広告インタビューという企画だったのですが、その後、監督のお話もいただいたんです。スタジオジブリにを撮影させてもらい、映画になった。それがまたDVDとして残るなんて、圧倒的な贈りものという感じです」と感謝の意を述べると「この作品は、いつかフィクションを創るためにクリアしなければいけない重要な課題だった。だからこそ、すごく困難だったのだと思います。でも今後のためにも絶対的に必要なプロセスだった気がします」と本作との深い「縁」を語った。(取材・文・写真:才谷りょう)

 『夢と狂気の王国』DVD&ブルーレイは、5月21日発売。

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