上白石萌音、目の前の事に全力投球　大活躍の2016年は「激動の年でした」

映画

公開日：2016/11/5 05:50

上白石萌音、目の前の事に全力投球　大活躍の2016年は「激動の年でした」の

　大ヒット驀進中の映画『君の名は。』で、ヒロイン・宮水三葉の声を務め、注目を集めている女優・上白石萌音。その高い表現力は、映画はもちろん、舞台、ミュージカルなど、これまで幅広いジャンルで培ってきた演技力に基づくものだ。そんな彼女の最新映画『溺れるナイフ』が公開を迎える。2016年「激動の年でした」と語った上白石に、本作出演の感想や、自身の今後についてなどを聞いた。

【関連】「上白石萌音」フォトギャラリー

　上白石演じた松永カナは、幼馴染のコウ（菅田将暉）に思いを寄せていながらも、憧れのクラスメイト夏芽（小松菜奈）とコウがうまくいくことを望む複雑な感情を持つ女の子。「すごく難しくて、台本の読み合わせの時は、書いてあることをそのまま鵜呑みにしていたら、山戸（結希）監督からことごとく覆されて『セリフはあくまでもおまけみたいなもの、映画なので裏の気持ちを出してください』と言われたんです。それから台本や原作漫画を何度も読んで、監督の仰っていることが理解できました。カナが何を考えているのか、少ない情報量から抽出する作業は、地味ですがとても大変でした」。

　映画界で“天才”と呼ばれる新鋭監督・山戸結希。「本当に天才なんだなって端々から感じました。山戸監督の中には、しっかりと画が出来上がっているので、私たちはどこまで監督の感性に食らいつけるか、監督のイメージをどこまで自分のものにできるか、一瞬も気が抜けない現場でしたし、しぐさや一挙一動まで演出が付きました。でも、菜奈ちゃんも菅田さんも重岡（大毅）さんも決して操り人形のようにしているのではなく、役を自分のものにしているんです。私は遅れてクランクインしたので、すごく刺激を受けました」。

　そんな山戸監督は「最初から比較対象のない4人」と表現し、上白石に対しては「眼差し一つまで演技が本当に素晴らしくて、またご一緒したい」と評価していた。そんな言葉に「私もその中に入れてもらえるんですか、すみません」と謙遜する姿がなんとも微笑ましいが「本当に漫画から飛び出してきたような、他の映画で見せる表情とは違った、この時間、この季節でしか撮れなかった姿が映し出されているのを観て、私もこのキャスト以外はありえないなと思いました」と出来上がった作品には強い視線で自信をのぞかせていた。