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ユニークな世界観で話題『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』前原滉&矢部太郎&片桐はいりが明かす“抑えた芝居”の裏側

映画

映画『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』に出演する(左から)片桐はいり、前原滉、矢部太郎
映画『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』に出演する(左から)片桐はいり、前原滉、矢部太郎(C)2020「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」フィルムプロジェクト

関連 :

前原滉

今野浩喜

中島広稀

清水尚弥

橋本マナミ

矢部太郎

片桐はいり

嶋田久作

きたろう

竹中直人

石橋蓮司

 数々の国際映画祭で受賞を重ねてきた池田暁監督初の劇場公開作品『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』(公開中)より、主演の前原滉、共演の矢部太郎と片桐はいりのインタビューが到着。公開後、SNSで「斬新&風刺全開の傑作」「今までの日本映画になかったタイプの映画。ユーモアやメッセージ性が、まるでロイ・アンダーソンやカウリスマキ」「病みつきになるような不条理な笑いが面白くもあり恐ろしい!」と話題を呼んでいる本作だが、独特の池田ワールドを体現した演技の裏側や、お気に入りのシーンなどを明かした。

【写真】『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』フォトギャラリー

 一本の川を挟んで「朝9時から夕方5時まで」規則正しく戦争をしている二つの町。川の向こうの太原町をよく知るひとはいない。だけど、とてもコワイらしい。そんな津平町に暮らす真面目な兵隊・露木がある日突然言い渡されたのは、音楽隊への人事異動だった。明日からどこへ出勤すればいいのやら…。そんな中、偶然出会った向こう岸の音楽に、露木は少しずつ心を惹かれていく。一方、町では「新部隊と新兵器がやってくる」噂が広がっていて―。

◆悪戦苦闘!? “抑えた芝居”に挑んだキャストの本音

――大変独特な作品ですが、池田監督の世界観に初めて接されたときはどのように思いましたか?

片桐はいり(以下、片桐):こういう世界なのか、これはなかなか難しいな、と思いましたね。

前原滉(以下、前原):どういう形になっていくのか分からなくて。

片桐:そう、本番が終わっても分からなくて。東京フィルメックスで初めて観て「こういうことだったのか」と分かったの。でも面白かった。お客さんや審査員や監督や外国の方もいっぱいいる中で観たので、すごく緊張したけど(笑)。

映画『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』より露木役の前原滉 (C)2020「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」フィルムプロジェクト
前原:定食屋のシーン、すごく笑い起きてましたね。

片桐:嘘ですよ! え、私緊張してたから分かってない?

前原:一番最初に笑いが起きたのがあそこでしたよ。

片桐:前原さんのキャラの芯がちゃんと立ってて、こうなるんだってやっと分かって、びっくりしました。映画って全部出来上がるまで分らないんだけど、これほど想像と違う映画は初めてでした。

前原:僕は最初にシナリオを読んで、そのあとに監督の過去作を観させて頂いたので「あ、こうなるんだ、じゃあきっとこんな感じの演出なのかな」と思ったんです。ホンを読んで「こうやって演じるのかな」と思った今までのセオリーが覆ったんです。自分の引き出しにはない会話の方法というか。普段は感情を出していくお仕事が多いので、感情を抑制することに驚きました。それで、僕は逆に「あ、やってみたい。楽しそうだな」と思いました。

映画『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』より城子役の片桐はいり (C)2020「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」フィルムプロジェクト
矢部太郎(以下、矢部):あの…皆さんは過去作品をご覧になっていたんですか!? 僕も台本は頂いていたんです。でも台本も普通じゃないっていうか。

前原:そうですね。普通じゃない(笑)

矢部:あれあれ? と思って、検索したんです、監督の過去作品を。予告編だからこういう感じなのかな…と思っていて。現場に行ったら前原さんや今野(浩喜)さんがああいう(感情を入れない)演技だったので、そこで急いで調整して…。

片桐:(爆笑)急いで調整ってなにをしたの? そんなに普段と変わってる印象ないんですけど(笑)。

前原:僕も矢部さんはナチュラルキャラ生かすんだなと思って見てました!

矢部:リハーサルの初めに「特に何もしないでください」って言われて、「そうですね」と言ったんですけど……何もしないって、ぼくできないから……。

映画『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』より仁科役の矢部太郎 (C)2020「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」フィルムプロジェクト
片桐:前原さんはいろんなパターンの人が来るのを見てたわけでしょ? (感情を)「抑えて抑えて」とか「もっと上げて」とか監督が言ってるのを見てどう思ってました?

前原:確かにいろんなパターンの人がいらっしゃいましたね。同世代の方だったら一緒に何か話せるんですけど、名だたる方々ばかりなので、何も言えず…。

矢部:え、「矢部さんもっと抑えたほうがいいな」とか思ってました?

前原:いや、全然(笑)。僕は監督がどういう反応するのかな、と見てただけなんです。そしたら、なにもおっしゃらなかったんで、あ、矢部さんはこのまんまなんだな、と思ってました。

矢部:すごく調整してるんですよ!

片桐:ほんとですか(笑)。

前原:演技を抑えることと戦ってる方と、そうじゃない方がいらっしゃいましたね。

片桐:完成した映画を観たら、そんなにみんな一緒じゃないものね。監督の前の作品から出ていらっしゃる
方々ともまたちょっと違いますよね。それぞれがちょっとずつ凸凹で。それぞれの解釈でちょっとずつ違うから面白い。

矢部:統一されてないから面白いんでしょうね。

――きたろうさんは「すごく抑えた」とおっしゃっていたそうです。

映画『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』より (C)2020「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」フィルムプロジェクト
片桐:前作(『化け物と女』)に比べたら、ずいぶん自由にされてて「あれ、違うじゃないですか!」と思いました。私はきたろうさんをベースに考えてるところがあったので、きたろうさん、こういうふうにやるんですね、と思ってたのに!

前原:きたろうさんは、まず最初は(大きめに演技を)出して、それから抑えて、と調整してましたね。池田監督は大御所の方だろうと、僕だろうと同じような言い方をなさるんですよね。

片桐:私も、押したり、出したり、引いたり…いろいろ言われました。分からないから、まずは出してみて、言われたら引っ込めて…って感じで。ごはんをよそったりもしなきゃいけなかったから。

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映画『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』予告編

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