『明日カノ』再現度の高さに「原作に忠実だ…」の声! 雪役・吉川愛の表現力もすごい
■歩み寄りたい壮太と、負のループに陥る雪
第1話を語る上で欠かせないのは、レンタル彼女のサービスを利用する壮太だろう。壮太は、「彼女ができた」とうそをついてしまい、友人とWデートに行くことになったのを理由にサービスを利用した新卒のサラリーマン。そこで雪と出会い、心が惹(ひ)かれていくという役どころなのだが、「本気?」と疑うほどにピュアすぎる男性なのだ。
壮太 (C)「明日、私は誰かのカノジョ」製作委員会・MBS
その純真さは、時として残酷だ。デートの別れ際、壮太が「今日、1回も素で話していないよね?」と指摘するシーン。冷静に考えればわかる、誰かの彼女を演じている雪にありのままの姿を求めるのはお門違いだということを。しかし、壮太はそういう発言を優しさで言ってしまうような人なのだ。
そんな彼の悪気のない純真さに、雪は心を惑わされる。水族館でのデートのシーン、壮太の天然な部分を見て笑顔になった後で「同い年くらいの男の子と普通に付き合っていたら、こんな感じなんだろうね…」とつぶやいた雪は、レンタル彼女であることを忘れて、素でつぶやいているように見えた。
しかし、二人の恋が歩み寄ることはない。雪を救おうと真っすぐとした目で「雪ちゃんが少しでも楽できるなら、雪ちゃんが少しでもお店を辞められるように」とお店に通うことを伝える壮太。
生きていくためにレンタル彼女をやるしか選択肢がないことを知らないまま、勝手に良かれと決めてしまうところは少々的外れだ。この言葉を聞いた時、雪は喜ぶどころか表情を曇らせる。“普通”の幸せをつかむことが、どんなに難しいことなのかという現実を改めて突きつけられたのだろう。
もちろん彼に悪気はない。だからこそ、心を通わせかけた二人の境遇が違いすぎることが明確となり、歩み寄ることがないのだろうと感じさせた。
■イメージ通りすぎるキャスティングを再確認
本作の実写ドラマ化が決まった時、あまりにも豪華なキャスティングにSNSが沸いたのを覚えている。その一方、コミックで感じた言葉にならない感情を実写でどのように表現するのかは気になるところだった。
しかし、番組のオープニング映像を見て、その不安は払拭された。きらびやかな東京の街、そこでひっそりと暮らす雪、外見の美しさを求めて整形を繰り返す30代女子・彩(宇垣美里)…原作の世界観がそこにはあったのだ。
リナ(横田真悠) (C)「明日、私は誰かのカノジョ」製作委員会・MBS
特に第2話の主人公となる、リナ(横田真悠)はリナそのものだった。自分の知らないところで「カワイイ」と言われることに嫌悪感を表す雪に対して、弾むような声色で「リナはかわいいって言われたら純粋にすっごく嬉しいけどな」と100点の答えを返す姿を見て「こんなにかわいいセリフとしゃべり方を、実写で再現できるものなのか…」と感動した。
実際に、放送後のSNS上では「原作に忠実だ…」「思った以上に再現度が高い」など絶賛する声も。第2話以降、どんなヒロインたちを見られるのか、さらに期待が高まる。