『着飾る恋』横浜流星のキスシーンは、なぜ美しい? 何度も見たい“注目ポイント”を解説

カルチャー
2021年5月19日 20:30

■舟木を突き放さない『着飾る恋』の優しさ

 少しホラーな演出を交えながら展開していった第5話。しかし、暴走する舟木を“怖いもの”として突き放すような描き方をせず、寄り添い理解しようとするのが本作らしかった。

 生きている間に“自分が他人からどう見られているか”を心配する瞬間は山ほどあるだろう。舟木も看護師をやめて派遣社員になったものの、そこで上司に意見したら「そういうことは求めていない」と否定され、意見1つ言えない環境に悩んでいた。

松下宏太郎(飯尾和樹)&真柴&茅野七海(山下美月)&秋葉亮(高橋文哉) (C)TBS
 それは真柴も同じで、葉山祥吾(向井理)が社長を退任し、経営方針が変わったことにより、自分への期待値が下がっているのではないかと案じていた。知らず知らずのうちに世界から透明化しているというのは、恐怖だ。舟木が、業務としてでも自分を見つめてくれる陽人に、過剰に執着したのは、存在価値が薄れていると感じていたからこそ見出した、彼女なりの防衛手段だったのだろう。

 それから舟木は、陽人に会いたいという思いから、駿のキッチンカーに立てこもる。行き場のない孤独を抱えた舟木にとって、頼みの綱である陽人を失う恐怖は大きく、存在の証明のために、人を巻き込んで暴走化する。そんな舟木を救ったのは、意外にも駿だった。

「自分の価値は自分で決める。誰にも左右されない。そうなりたい」

 “人の役に立ちたい”や“誰かに認められたい”が先行して、自分を見失っていた舟木と真柴。一見単純な言葉ではあるが、同じ考えの沼から足を出せなかった彼女たちには共感ではなく、駿のように正反対の方向に力を与えて、引っ張り出してあげることが必要だった。この言葉は舟木を楽にさせただけでなく、真柴の駿に対する思いも変えていった。そして、運命のキスシーンが訪れる。

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