滝沢カレンが語る“文章のコツ” 「溢れる想いは床や天井に散りばめないように」
モデルだけでなく、唯一無二の存在感でバラエティでも大活躍の滝沢カレン。4月7日(火)には、独特なセンスのレシピを集めた書籍『カレンの台所』(サンクチュアリ・パブリッシング)を発売しました。くわしい分量は書いていないのに、なぜかわかりやすく、今すぐに料理を作ってみたくなるレシピ集。今回は、本書についてや料理への想いを聞くべく、メールインタビューを行いました。(取材・文=山田果奈映)
【写真】名言たっぷり!『カレンの台所』をちら見
■レシピ本は“親友のような自分”
ーー「カレンの台所」の出版おめでとうございます。出版が決定したときはどのようなお気持ちでしたか?
「本を出さないか」と言われたのは、去年の寒さが肌を冷たくさせる日でした。まさか、レシピ本を出さないかなど言われるつもりがなかったので、なんの心の予備もなかったです。
でも制限なき居間(インスタグラム)で私が出した記事だということですので、そりゃ責任者は私だったので、すごく嬉しかったです。不安はまだ見つからなかったくらい、また新しい扉が出てくるのか! と2020年への生き方が変わるワクワクがありました!
ーー完成した本をご覧になって、いかがでしたか?
滝沢の文章が可愛いイラストで表現されている 写真=三輪友紀/イラスト=よしもとなな
自分が発信したこと尽くめです。わたしの頭が文字となり、私の理想が、絵となりました。それはもう親友のような自分です。どちらも自分なのに愛があるという、不思議な相方です。
1ページ1ページが恋しくて、あ、そうそう! とまた頷いたり、協力してくださった人の皆さまはもちろんですが、食材たち、彩の助け舟食器やカトラリーたちにも感謝がおさまりません。真っ赤な顔が似合う、素敵な台所ができあがりました。
ーーまるで短編小説を読んでいるような文章にとても引き込まれました。普段のインスタグラムでも、思わずクスッと笑ったり、優しい気持ちになったりする方がたくさんいると思います。文章を書く上で、何か気をつけていることはありますか?
ありがとうございます。いつもどう書いているんだ? と優しい質問をしていただきます。でも何かを考えながら書いているわけではなく、書いているときは次の行のことも、前の行のことも見ている暇はありませんで、書いた後にいつもこうなったのか、と感じる自分がいます。
でも人間なので、書く意識は小学生で学んだのでとんでもない文にはなりません。意識していることと聞いてくるならば、とにかく溢れる想いは床や天井に散りばめないように、携帯のメモに受け渡す、ということです。次の日に今日のことは書こう、という道が私にはありません。目の前には。なぜなら忘れてしまうからです。
忘れてしまうのか、今にしか興味がないのかは、どちらもだからです。今や明日を大切にしていたいから、過去の気持ちを今書くというそんな山を背中から登れと言われる難しさは私にはできないのです。なので今感じたことは、今。今書けないなら、ならばそれは書くことではない、とすら思う私です。人生振り返っていたらただでさえ時間足りないですのでね!
ーーすべてだとは思うのですが、本の中で特にお気に入りのレシピを教えてください。
おっしゃる通り全てです。ただ同じ愛で好きなわけではなく、好きな気持ちはそれぞれのページによって生まれます。私に揚げ物の楽しさを教えてくれた感謝の愛は、唐揚げですし、食べたい! と自分が365日片思いしているのは、ラザニアです。こうやってページ全てに愛が繋がったことにより、一冊の集団になれたのだと思います!
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