『恋あた』最終回キスシーンに「眠れない」の声! 中村倫也の演技に興奮冷めず
■樹木が新谷を呼び出して…
新谷誠(仲野太賀)を呼び出した井上樹木(森七菜) (C)TBS
この恋に決着を着けねばと、新谷のもとを訪れ、「まこっちゃん、話ある」と誘い出した樹木。「俺も話がある」と新谷が答え、二人はカフェにやってきた。第9話のデートシーンとは明らかに雰囲気が違い、寒色のベールに包まれているかのようだ。「例の返事なんだけど…」。樹木は、そう切り出すも、そこからが続かない。アスファルトを歩く、知らない誰かの足音だけが虚しく響いた。
そこで新谷は「“拓兄とクリスマス過ごしたい”。そう言おうとしたんだよね?」と助け舟を出す。「樹木ちゃんは渡さない」。そう硬く浅羽に宣言した新谷が、この言葉を発するのはどれだけ辛かっただろうか。
新谷に本当の気持ちを伝えた樹木 (C)TBS
「しっかりしろよ。話があるから呼び出したんだろ? なら、ひるむなよ!」。眉間にシワを寄せながら、新谷は強く訴える。そして、「樹木ちゃんの本当の気持ち、ちゃんと聞かせて」と語った後には、いつものように優しい表情で、樹木に微笑みかけた。イチョウの雨が降る中、樹木が出した答えは「ごめんなさい」だった。
■最後まで樹木を思いやる新谷
樹木の気持ちを受け止める新谷 (C)TBS
「わたし、社長が好きです…」。大粒の涙をポロポロとこぼしながらも、新谷の目を真っ直ぐ見て、樹木は“本当の気持ち”を伝える。新谷は、振られる覚悟でここに来ていたのだろう。ただ、他人の苦悩を感じ取れる、痛みに敏感な新谷だからこそ、失恋の衝撃を、すべては隠しきれなかった。「拓兄のところへ行きな」。そう言いながら、涙を1粒だけ、たった1粒だけ流すと、「泣くなよ〜」と即座に笑顔に切り替え、浅羽のもとへ送り出した。
「樹木ちゃんの幸せが、俺の幸せだから」と語る新谷 (C)TBS
「樹木ちゃんの幸せが、俺の幸せだから」。平凡な言葉、でもそれが新谷らしい。樹木を傷つけない言葉を選んだのではなく、樹木を笑顔にしたい新谷から、なんの計算もなしに出てきたような言葉だった。後に、上杉店長(飯塚悟志)が「今はまだこの人しかいないって思ってるかもしれないけど、人はまた出会っちゃうもんだから!」と新谷に声をかけてくれたのが、本当に救いだ。仲野の素晴らしい演技から、新谷派も多かった本作。人を大切にする仲間に囲まれ、新谷の痛みを感じ取れる視聴者に愛された彼は、恋愛ドラマの当て馬の中でも幸せな当て馬だったのではないだろうか。
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